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「さて、じゃあなんで君はあの人を殺したか教えてもらってもいい?」

公園に着くなりメイはそんなことを僕に言ってきた。

「え、メイは全部見てたんじゃないの?」

「うん、見てたよ。全部ね。でもトラオ今かなり焦ってるよね。そんな状態だったらさ。もし、誰かに何か聞かれたときにすぐボロが出そうじゃない?」

「た、確かにそうかも・・・」

「だからさ。一旦状況整理した方がいいと思うんだ。トラオが捕まらないためにね。」

確かにメイのいう通りかもしれない。でも僕はそれ以上に気になることをメイに聞いてみた。

「ねえ、そもそもなんでメイはあの林に居たの?それに初めから見ていたっていう事なんだったらなんで僕を助けてくれなかったの?」

もしかしたらメイが現れて僕を助けてくれたらもっと違う形になっていたのかもしれない。当然の疑問をぶつけてみた。

「林に居た理由か~。うーん特にないなー。」

特にない。そんな事があるのだろうか。でもそういわれてしまうと何も返せない。

「君を助けなかった理由はね。面白いものが見れそうだと思ったからだよ。でもまさか目の前で人が死ぬなんてね。人が死ぬところなんて初めて見たよ。」

「面白いものが見れそう?興味だけで見ていたってこと?僕がどれだけ怖い思いをしたかも知らないのに!あの男に腕をつかまれた時の。暴力の怖さも知らないくせに!」

今まで押させてきた感情が溢れてくる。僕の恐怖を知らないで面白いものといったメイに対しての怒りが止まらない。だけどメイはそんな僕の怒りに対してはっきりと言いのける。

「知らないよ。そんなこと。僕にそんなこと言うのは筋違いじゃないかい?暴力?そうだね、確かにボクは他人に痛みを与えられたことはないからね。まったく運のいい人生を送っていると思うよ。それで?」

「それでって・・・。」

「そんなことを僕に言ってどうなるの。トラオがやったことが何か変わるのかい?今はこれからどうするかを考えるべきなんじゃない?」

メイの正しい言葉が僕の頭を冷まさせる。そうだ、僕が考えなくちゃいけないのはこれからどうするかだ。

「う、うん。そうだよね。ごめん」

「それじゃあ、改めて教えてほしいんだ。あの林の中で君が何をしてしまったのかをね。」

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