モノローグ

桜 さな

きみは幸せでしたか?

わかっていたの。

ただ、側に居られるならそれで良かった。

しずかに壊れていくわたし。

はかなく散っていく桜を横目に天井を見つめ

しみの数を数えるのももう飽きてしまった。

あの日までずっと笑顔を見せてくれたきみ。

わななく唇で「さよなら」を告げた。

せめてきみを自由にしてあげたいと思って。

でも、思い出は最期まで捨てられないから。

しおれた手を胸に当てればきみを想う脈動が

たしかに、ここにあるわ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

モノローグ 桜 さな @cherry37

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ