猿の枠星

ネジ回しあたま

うるさいうるさいうるさいうるさい…!

今日も眠れない、猿の鳴き声で寝れない!

ああもう嫌だ!最近ずっとこの調子じゃないか!

夜になると必ず猿の鳴き声が木霊する

周りは住宅と工場しかない、動物園なんて勿論無い

なのに夜になると猿の声がするんだ眠れないんだ。


ある晩、男は遂に耐えかねて闇の何処かに潜む猿に向かって叫んだ。

近隣の住民の事なんか頭に無い位彼は悩まされていた。

「いったい何処に屯してんだこのエテ公め!!今度その汚ねぇアホ声出したらとっ捕まえて嬲り殺してやる!!!!!!」

地の底から出たような紛れもない本音を思うがままにぶち撒けた、少しは静かになると思った。

だが猿の鳴き声は更に大きく、頭にヒビ割れ響いてギャンギャン跳ね回る

男は半狂乱になって着の身着のまま外に飛び出す、

廃工場のバリケードを突っ切って血だらけ汗塗れになりながら、

こうする間にもけたたましく音を響かせる猿を探す。

その姿はさながら猿であった。


毎晩人間は猿へと還る、猿は人間を猿へと誘う。

今夜もけたたましく鳴き声を響かせる猿がまた一匹…


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猿の枠星 ネジ回しあたま @audittodo9

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