【第一部:修道院百合修行編】第四話:薬草師ヴィオラの誘惑と修道院長の鉄拳制裁

第一章:薬草師ヴィオラのいる場所


 修道院の裏山に広がる森。木々が生い茂り、陽の光も届かぬ静寂の中、小川のせせらぎだけが響く。ここは"聖なる森"と呼ばれ、普通の修道女は滅多に近寄らぬ場所。


 しかし、アリスにとっちゃ違う話よ。


 「へぇ~、こりゃまた風情のあるとこじゃねぇか……」


 彼女の目の前には、森の奥にぽつんと佇む可愛らしい一軒家。ツタの絡まる木造の家の周りには、色とりどりの花が咲き誇り、甘い薬草の香りが風に乗って流れてくる。


 「ふふっ、お待ちかねの花魁(おいらん)のお出ましだよぉ……さぁて、どんな絶世の美女が待っていやがるのかねぇ?」


 アリスは色っぽく口元をなぞりながら、ゆっくりと扉をノックした。



第二章:美しき薬草師ヴィオラ


 しばらくして、扉がそっと開いた。


 現れたのは――。


 透き通るような白い肌に、流れる銀髪。深い紫の瞳は、まるで吸い込まれそうなほど神秘的。ローブの隙間からちらりと覗く細くしなやかな脚……。


 「ほぉ……こりゃまた、見事な傾城(けいせい)だねぇ……」


 アリスの目はハートのように輝いた。


 「お待ちかねの薬草師様ってぇのは、あんたさんかい?」


 「ええ、私がヴィオラです。あなたは……?」


 「アタシぁアリスってんだ。ちょいと、頼みがあって参ったのさ」



第三章:アリス、媚薬をねだる


「それで、アリスさん。こんな森の奥まで、どのようなご用ですか?」


 ヴィオラが優雅に微笑む。


 アリスは目を輝かせ、ぐっと前に乗り出した。


「姐さん、どうかひとつ……媚薬をこしらえておくんなせぇ!!!」


 ヴィオラの笑顔が、一瞬ピクリと止まる。


「……え?」


「いやね、こちとら修道院に女の楽園を作ろうと画策してるんでさぁ。そんためにゃ、姐さんのお力が必要なんでござんすよ。何卒、お恵みを……!」


 アリスは両手を合わせ、艶っぽく微笑んで見せる。


 しかし――。


 ヴィオラはふっと微笑むと、アリスの頭を優しく撫でた。


「面白いお猿さんですね」

 

 ……ピキッ。


 アリスの脳内で、何かが弾ける音がした。



第四章:裸卍固めの悲劇


「……姐さん、今、何てぇた?」


「ええ、面白いお猿さんですね」


 バキバキバキ……。


 アリスのこめかみに青筋が浮かぶ。


 「お猿……さん……だとォォォォ!??」


 その瞬間、アリスはヴィオラに飛びかかった!


「こうなりゃ裸卍固めで昇天させてやらぁぁぁ!!!」


 豪快に修道服を脱ぎ捨て、技を決めようとするが――。


 スルッ。


 ヴィオラの身体は風のように軽やかにすり抜ける。


 アリスは勢い余って薬草の棚に激突。天井のハーブがドサドサと降り注いできた。


「ぎゃあぁぁぁぁ!!」


 そこへ。


 修道院長、降臨。


「……」


 ヴィオラは優雅に微笑み、アリスは裸で床に転がり、必死に修道服を拾い上げる。


 修道院長は、無言で目を閉じ、深く息を吸った。


「アリス。後で、修道院長室に来なさい」



第五章:スパンキング地獄


 修道院長室。


 アリスは正座し、顔は青ざめ、尻はすでに覚悟を決めていた。


「アリス。お前は何度目だと思っているの?」


「え、えぇっと……三十……五回?」


「正解。では、罰を受けなさい」


 バチン!!!


「ひぃぃぃぃぃ!!!」


 バチン! バチン! バチン!


「ぎゃぁぁぁぁ!!!」


 だが……。


 ……あれ?


 この痛み……心地いい……?


 (もしかして、アタシ……院長のスパンキングなしじゃ生きていけねぇ身体になっちまった……!?)


 アリスは悟った。


 修道院でのハーレム計画は道半ばだが、別の悦びを見つけてしまったのかもしれない、と。



エピローグ:アリス、次なる標的を狙う


 罰を終えたアリスは、真っ赤になった尻をさすりながら修道院を後にした。


 ヴィオラを口説く計画は失敗したが……。


「まぁ、ええわ。またいずれ、姐さんを落としてみせるさね……」


 そう呟きながら、アリスは次なるターゲットを求め、妖艶な笑みを浮かべながら修道院を歩き出したのだった――。


(終)

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