第3話 2周目 6歳から10歳①

6歳の2月。バレンタインが近づき女子はキャピキャピしてる。忘れもしない。1周目の今日‥‥‥俺は1回目の失恋した。維は俺に「あつくんが好きなの。あつくんは好きな女のコいるか知ってる?」って聞いてきた!!

「知らないよ。なんであつくんが好きなの?」

「あつ君っていつも助けてくれるし優しくて賢いからだよ。みんな好きだよ。」って言ってたな‥‥。

あつくんって俺1番キライなんだけど‥‥‥。知ってる?あつくんって人の手柄を横取りして先生や女子にアピールするズルがしこいヤツなんだよな。俺が維のために作った手裏剣を「みんなで女のこのために作った」って配りだした時は殴りたかった。出来なかったけど‥‥。

2周目は、みんなの前で悪事をとことん暴いてやったから‥‥あつくんではないはず。ズルばっかりするから先生にめっちゃ怒られてたし〜。

維〜俺の事好きなんじゃねぇ〜。たぶん俺だな!2周目の俺はかなりかしこい6歳児だから。中身が35歳のおっさんだから!

「光司くん〜!おはよう」維が手を振って近づいてくる。かわいい。

「おはよう。維」

「ねぇねぇ。光司くんってモテるだよ!!知ってた??」

「えっ!そうなん?知らんかった。」そりゃーそうよ。中身35歳のおっさんだもん。めっちゃモテテクを繰り出してるからな!

「そうだよ。バレンタイン楽しみだね?」

「えっ!あ〜あ〜。維は誰かにあげる?」

「うん。あげるよ。」

「誰に?」俺にくれるよね。神様お願いします。俺、めっちゃ頑張りました!!

「内緒だよ!さくくん!あっ!!もちろん光司くんにもあげるよ。」えぇーー!!えぇ~!!さくくん??さくくんは、おっちょこちょいだし、ドジだし〜。なんで??俺のは100%義理じゃん!?

「さくくんが好きなの?」

「うん!さくくんって維がいないと体育館の移動もできないし、給食の準備も遅いし‥‥維がいないと!って思うよね〜〜。」えぇ~えぇ~。あつ君がタイプじゃなかったの?めっちゃ優等生したのに〜。おぉーい!!まぢか〜〜!?さくくん??ナイナイ。

はぁ~。2周目の1回目の失恋。


それからは‥‥優等生で何でもできる光司君にギャップで時々‥‥ドジをするように心がけた。


7歳小学校はクラスか離れた。でも学童保育でいっしょになる。学童保育のおばさん先生がなぜか維を目の敵にしている。1周目の時は分からなかったけど‥‥このおばさんアレだな‥‥‥。維の姉の愛ちゃんが学童保育で揉めた時に‥‥維のママがコテンパにやっつけたヤツじゃん!だから逆恨みだな!

絶対に維を守らないと‥‥‥。

おばさん先生が維にだけテーブルを拭くように指示する。でも当番じゃないから維は台拭きが持ってきてなかった。おばさん先生はキーキー怒りだした。

おばさん先生に「維は今週は当番でない。だから台拭きを持って来てなくて当たり前。なぜ維だけに指示したんですか??おかしい。」

「当番じゃないなら言ったら良かったじゃない。」

「言いました」って維が泣きながら言う。

維、大丈夫!俺がコテンパにしたるからな!!

「聞いてない。他の子にも言ったけど?」

「じゃ〜確かめましょう。毎日、先生が言ってることがおかしいな‥‥って思ってお母さんに頼んでボイスレコーダ持ってきて録ってるんだけど‥‥。」

「え‥‥‥。え‥‥‥。」

「市の人にも来てもらって一緒に確認しましょう。」

「先生達は市の人と俺達の親に連絡して来てもらってください。」

「え‥‥。」

「はやく!」

「ゆい?大丈夫だよ。つらかったな。助け遅くなってごめんね。」

ゆいは俺を見て‥‥‥とまってる。えっ!やり過ぎたか??

「光司くん!すごぉ〜い!コ◯ンみたい!!」

「えっ。おぅん。」コ◯ンって!!見た目は子供頭脳は大人ってやつ??まさしくそれだよ!!

「名探偵みたい!」あれ?維?惚れたんじゃない??ヨッシャーー。

維のおかんと俺のおかんがキレまくっておばさん先生は異動した。ヨッシー!!

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