血
魔女であるエタナが体を貫かれ、その貫かれたお腹より血が流れ始めていた。
「ぐふっ」
そして、そのまま口から血まで流し始める。
「あ、……あっ」
その様子を眺めるティアは体を震わし、呆然と言葉を漏らす。
「(あー、久しぶりに痛みを感じたかも。うぅん……別に、これくらいであれば何も問題はないけど……せっかく、ティアと選んだ服がぐちゃぐちゃになっちゃった。ちょっと、許せないかも)」
そんな今のティアにはエタナの内心まで見透かせない。
腹を貫かれ、口から血を流し、徐々に体温まで低くなっていくエタナを見て、その内心での彼女が余裕綽綽だとは見透かせないだろう。
「……ぁ、あぁ」
ティアの瞳に映るのは自分を庇うように腹を貫かれて倒れているエタナ。
「ガァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
そして、魔女であるエタナを殺したとばかりに元気に咆哮を上げている化け物の姿であった。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああっ!?」
それらを完全にティアは受け入れ、それを現実として認めると共にティアは、絶叫をあげる。
ありとあらゆる感情が織り交ざった絶叫を。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああっ!?」
その瞳は、ティアの瞳はぐるりと回転し、エタナではなくそれを刺した化け物の方へと向く。
「許せない、許せない許せない」
その瞳からは、怒りの、声を、怨嗟の声を漏らす。
「許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない」
「……て、ティアっ!?」
怨嗟の声を吐き、怒りに身を包むティアから、どす黒いオーラが漏れ始める。
「ちょっつ!?」
それがなんであるのか。
エタナの目には理解できなかった。
ただ、それが普通のものでないことは半ば直感的に理解出来た。
「……ぁあ」
「何をっ!?」
ティアが動き出すのと、エタナが暴走していた自身の魔力を再び制御し終えたのはほぼ同時。
「……死んで」
「そぉいっ!?」
そして、ティアが化け物に向けて殺意を向けるのと、エタナが魔法を発動させたのは完全に同時であった。
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