Ancient Garden

@Nars_3141

プロローグ

始まりと終わり

とある洞窟の最深部。ここで約50人と、1匹の巨大な虎が戦っていた。人間たちの半数は倒れこんでいて、虎も大きな傷を負っているため、今にも決着が付きそうである。


虎の動きが一瞬止まったのを見逃さず、フードを被った1人の人間が虎にとどめを刺そうと走りだした。続いて5人ほどが後ろを走り出し、虎との距離を詰める。

そして先頭の人間が握っている剣を虎に振ろうとした瞬間、

「避けろッッッッッッ!!!!!!」

後ろを走っていた1人が異変に気づいた。しかし、今気づいとところでそれはあまりに遅い。虎が人間にバレないよう密かに溜めていた電撃魔法が放ったのだった。


先頭の人間が綺麗に崩れ落ちた。スイッチするような形で後ろから追いついた剣士の1人が虎を貫き、虎はその場に倒れた。

人間たちはすかさず倒れこんだ人間に駆け寄り、出口の方まで引きずって治癒魔法で治療を始める。しかし、それでは間に合わないほどの傷の大きさに次第に顔が絶望に変わっていった。

「そんな、そんなっ…!!」

「なんで…」

「やめろ、やめてくれ、死ぬな…」

周りの人間たちはそう言葉をかけ続ける。


やがて、治癒魔法をかけていた1人がその手を止めて、集まっていた皆を見て首を振った。

一瞬の静寂の後、人間達の涙が洞窟の土に染み込むことになったのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

Ancient Garden @Nars_3141

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ