4
「撃たれたのか? 珍しいな」基地に帰るとそんなことを言われた。
「これで無傷の飛行記録も百日で終わりだな」とハラの肩をぽんぽんと叩きながら整備長は言った。
「でも敵機はちゃんと撃墜した。二機」と飛行機から降りたハラは言った。
基地の滑走路の上には数機の飛行機が止まっている。その中で無傷の飛行機は一機もなかった。みんなどこかしらに被弾をしている。
「今回の相手機は新型だった。性能が上がってる」歩きながらハラは言った。
「そりゃそうさ。戦争だもの。戦争していれば技術は向上する。こっちも向こうもその国力のすべてを戦争に捧げてる。飛行機の性能が上がらないわけがない」整備長は言う。
「私は新型をもらってない」ハラは言う。
「すぐにもらえるさ。ハラは天才だ。向こう側に名前も知られているくらいの有名人。天才パイロットだ。新型機だって優先的にもらえるよ」
「それっていつ?」
「もうすぐさ」と笑いながら整備長は言った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます