【短編】寝取リビアの泉
八木耳木兎(やぎ みみずく)
カーーーーーーーーーン……(←SE)
NO.037723
神奈川県 ペンネーム
真尾床ネトラ(17)さんからの寝取リビア
『イェ―――イ!!! オタクの中江君、見てる~~~??? 今キミの彼女のオサナちゃん、俺達のベッドで寝てまーーーーす!!!!!』
『ごめんね、シン君……でもセンパイたち、すっごくイイんだ……♡』
『だってさァ!!!! ギャハハハハハハハハハハ―――――
【 寝 取 ら れ た 幼 馴 染 は …
… 許 さ れ な い 】
「
「
「
「
◆ ◆ ◆
NTRの歴史に詳しい、
Q.寝取られた幼馴染は許されない?
「はい、確かに寝取られた幼馴染は許されません」
Q.なぜ許されない?
「寝取られた男性は裏切られたことでとっくに女性への信頼を失っており、傷をいやしてくれた別の女性と次の恋愛へと進んでいる可能性が高いです」
Q.許してもらおうとするとどうなる?
「よく寝取った間男が捕まるなどの形で一人になったとき、掌を返したようによりを戻そうとしてくる幼馴染がいますが、男性の方がYESという可能性は皆無と言っていいでしょう」
その中を見てみると――――――
Istam adulescentiam amico esse non licet.
(訳)その幼馴染は許されない。
Quia amatorem prodidit.
(訳)恋人を裏切ったから。
―――と書いてある。
確 か に 、 寝 取 ら れ た
幼 馴 染 は 許 さ れ な か っ た
◇ せっかくなので、実際に再会させてみた ◇
「断る」
「うぅっ……!!」
幼馴染の
わざわざ俺の大学のキャンパス内のカフェに来てくれたのに申し訳ないが、だからってさっき彼女が言った頼みを承諾するかというとNOだ。
「よりを戻そうと言われても、俺はもう君とは関わりたくないんだ。ごめんな、
「ねぇシン君……もう一度チャンスを頂戴? また昔みたいに仲良くやろうよ!」
「その昔の思い出を汚したのは、君自身だろ」
昔と全く変わらないあだ名で、俺のことを呼んで来る
はたから見れば微笑ましい光景なのかもしれないが、その事実に俺は反吐が出ていた。
確かに幼稚園の頃の俺たちは、実の兄と妹のように仲が良かった。
中学に入って、異性として意識し合い始めた結果、付き合うことにもなった。
だが、そんな関係も、あの日すべて打ち砕かれた。
俺のSNSにDMで送られた、彼女とチャラ男の高校OBたち数人とのハメ撮り動画を見たその日に。
そう、あの日俺は彼女を寝取られ、彼女は俺を裏切ったのだ。
「大体君には、あの金持ちの先輩たちがいるじゃないか。あの人らと一緒になればいい」
「シン君も知ってるでしょ……あの人たちは最低のクズ集団だったのよ! だから詐欺に加担して捕まっちゃったのよ!!」
「三年付き合っておいて、彼らを庇う気もないのか。俺のこともそんな風に裏切ったわけだな」
「そ、それは……」
なびいた先輩たちのことを今になってクズ集団呼ばわりしてはいるが、誠意が一つも感じられない。
本当によりを戻す気があるなら、明らかに彼らに買ってもらったであろう高級バッグやネックレスなどをつけてここにはこないはずだ。
「あ」
カフェの窓の外で知的で柔和な女の子がこちらに手を振ってるのを確認した俺は、席を立った。
今日俺が、このカフェにいた理由も彼女―――大学の後輩にして、今の恋人の
「待ち合わせてた人が来たよ。じゃあな、
「行かないで、シン君……ううぅ……」
自分が先に裏切っといて、関係が終わってしまった事実を受け入れられずに泣き崩れる
彼女を無視して、俺は会計を済ませてカフェを出た。
◇ ◇ ◇
掌 は 返 せ て も 、
想 い 人 と 過 ご し た 日 々 は
取 り 返 せ な か っ た
◆ ◆ ◆
「
「
「
「なんと、会長から純愛ハッピーエンドガチ勢宣言いただきました!!」
(一同拍手)
「えー、補足寝取リビアですけれども、幼馴染は幼かった頃は仲の良い友人関係だったとしても、成長につれて男女として認識し合った結果、異性としては見れない、単純に容姿や性格がタイプじゃないなどの理由で、カップルとして成立しないパターンが多いそうです」
「へぇー」
「だからこそ、子供の頃から長年共に過ごし、異性として意識し合った結果恋愛関係にもなった幼馴染カップルは正に運命的な関係であり、そんな二人の関係を破壊する間男も、一瞬の性欲に負けて長年連れ添った彼氏を裏切る幼馴染も、一生の人生をかけて罪を償ってしかるべき、とのことです」
「
「
(スタッフ笑い)
◇ ◇ ◇
寝 取 ら れ た 幼 馴 染 は 許 さ れ な い
投稿者
神奈川県 ペンネーム 真尾床ネトラさんには
賞金 9,800円を差し上げます 9 8 寝 ぇ
【短編】寝取リビアの泉 八木耳木兎(やぎ みみずく) @soshina2012
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます