陰にラブレターを。
恐ろしいほどに鮮やかな白黒の世界
陰にラブレターを
あなたへ
その人たちは、私という一人の人間を支えようとしていたわけではない。
それでも、私は確かにその人たちに支えられている。
私たちの生きる現代を築いたのは、誰だろう。
近代国家の基礎を作ったナポレオンだろうか。
電気を発明し、暮らしを変えたエジソンだろうか。
芸術の可能性を広げたピカソだろうか。
彼らが歴史において重要な人物であることは間違いない。
しかし、そんな彼らを生み出したのは誰だろう。
人は誰かに支えられながら成長し、
同時に誰かを支えながら生きていく。
素晴らしい人もいれば、醜い人もいる。
愛される人もいれば、孤独な人もいる。
ほとんどの人の存在は、歴史に名を残すことはない。
彼らの歩んだ道は、やがて陰となり、
後世には残らない過去となる。
それでも、すべての人には生きた時間があり、
その過去が積み重なって、今がある。
私は、その積み重なった過去の上に立っている。
そして、自らも過去を積み上げながら生きている。
すべての過去に、敬意と愛を捧げたい。
いつか、この世界を心から好きになれるように——。
陰にラブレターを。 恐ろしいほどに鮮やかな白黒の世界 @Nyutaro
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます