第13話
◇
「七瀬君!」
ちょうど七瀬君が生徒指導室から出てきたところだった。七瀬君は駆け寄るわたしを見て、驚いたように目を見開き、その場に立ち尽くした。
「お前、」
「ねえ、待って」
「……」
「退学ってほんと?」
七瀬君は黙って目を伏せた。それを肯定と受け取ったわたしは、彼の横を通り過ぎて生徒指導室の扉を開けた。
「っ、おい!」
「先生!待って!」
「おい、待てって!」
「待たないよ!」
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