第13話







「七瀬君!」





ちょうど七瀬君が生徒指導室から出てきたところだった。七瀬君は駆け寄るわたしを見て、驚いたように目を見開き、その場に立ち尽くした。






「お前、」



「ねえ、待って」



「……」



「退学ってほんと?」





七瀬君は黙って目を伏せた。それを肯定と受け取ったわたしは、彼の横を通り過ぎて生徒指導室の扉を開けた。







「っ、おい!」




「先生!待って!」




「おい、待てって!」




「待たないよ!」

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