第9話





「実織!ちょ、聞いて!」



「え、何?」






次の日の朝、学校は騒然としていた。朝はいつも騒がしいけれど、何かが違う。




学校全体が同じ色をしているような……。文化祭とか体育祭とか、同じものをみんなが見ているような、そんな感覚。






登校早々、友人はわたしの両腕を掴んで、その騒動の原因を早口でまくしたてた。








「七瀬、とうとう退学かもよ」



「……え?」



「昨日の夜、道端で知らないオッサン殴って再起不能にしたんだって。金髪に学ランだったからすぐ七瀬ってバレて、今生徒指導室にいるの」




「……」




「やっとめんどくさいのがいなくなるね。あースッキリスッキリ」

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