第6話
ぐいぐいと引っ張られる。踏みとどまろうとしても、ずるずる引きずられて動けない。怖い、怖い。怖い。嫌だ。
声が出ない。ひゅ、ひゅ、と音にならない悲鳴が喉につっかえて出てこない。
ガタガタと震える全身。目が熱い。恐怖で身体が竦む。
そうこうしている間に、ただでさえ狭い道からもっと小さくて暗い場所へと引きずり込まれようとしている。怖い。助けて、誰か。
ぎゅっと目を瞑ったときだった。お酒の匂いもタバコの匂いも、手首を掴む不快な熱も、一瞬で離れた。
「……え?」
あっという間に解放された身体。足の力が抜けて地面にへたり込む。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます