水
覃_Myc
20??年?月?日
時は2018年、平成30年の7月7日。
近くのパチンコ屋のイベント広告をYouTubeでよく目にする。
並んだりするんだろうか、長蛇の列に並ぶ時間はあるが、長時間立ちっぱなしと言うのは中々疲れるだろう。
しばらく部屋でそんなことを考えているとココ最近暑いのも相まって、ヤケに喉が乾いてしまった。
一階の冷蔵庫まで水を取りに行くのも面倒に感じる、全部この暑さが悪さしている…気がする。
部屋が二階の最奥にあるせいで階段が遠く感じる、運動不足が祟っているのだな。
階段を降り空っぽの冷蔵庫を空けて、水筒の水を飲み干すと、不思議な感覚に襲われた。
"暑い"…暑すぎる。気温が一気に上がったような…って言うか今日は雨じゃないか?
なんだか変だ、7月なんてまだ涼しいはずだ…ところで今日は何日だったか…?
カレンダーをめくるとそこには2020年8月10日と書いてあった。
「2020年…?」そう声を漏らすと母親が後ろに立っていた、母親から逃げるようにカレンダー前を後にする。
おかしい…暑いぞ…気温とかそう言うんじゃない…
意識が朦朧としてきた…立っていられ…ない…
目を閉じて、床に伏すと、死んだ父さんの事を思い出す。
父さんの墓参り、もう二年行ってないな。
父さん、俺もそっちへ行くかもしれません…と走馬灯のようなものを観ていると、母親がドタバタと慌ただしく階段を駆け上がってきた。
色々声をかけられているけど、なんて言ってるんだほんと…分かんねぇ。
俺はなんとか「母さん…助けてくれ…"暑い"んだ」と声に出すも、母親は急いで下に降りて行ってしまった。
死ぬ時も一人かよ…と泣きそうになっていると、アイスノンを両脇に抱えた母親がまた階段を駆け上がって来た、アイスノンを全身に当て身体が冷えて少し落ち着いた、汗を一粒も出していない事から、気温のせいではないことが伺える。
なんだったんだあの暑さは…と考え込み、母親に幾つか尋ねてみた。
1.「今の西暦と日にち」
2.「今の自分の年齢」
3.「暑くない??」
しかし不思議なことに母親も西暦は2020年の8月10日だと言う。
俺の年齢は聞くところによると、2020年Ver.の俺なら23歳、2018年Ver.の俺だと21歳…ややこしい。
母親に2018年から来たことを伝えると、俺は
「2018年頃に全く同じ質問をしていた」…
水 覃_Myc @Myc_29
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