この会話の切れ味の良さ。掛け合いのテンポ。本当に癖になります。
一話完結のホラーコメディ短編集。
第一話はガールズバーでの接客に悩むマナが主人公。彼女が出会うことが出来た「理想のお客さん」とのやり取りを通し、ガールズバーで仕事をする上での葛藤などが描かれます。
第二話は、唐突に「ソフトテニス部をラグビー部に変えたい」と言い出す中学生の栗田と、それに振り回される顧問との掛け合いがとにかく笑いを誘います。
「ソフトテニスって地味」からの、「一から組織を作るのは面倒」など中学生離れした理屈の応酬。顧問はブチキレそうになりながらも頭では納得させられてしまいそうになります。
感情面では絶対にNOなんだけど、なんか理屈面でYESに見える。そんな感情と理性の狭間で葛藤しつつ、キレのいいセリフの応酬が描かれます。
そして、驚愕のオチ。「うああ、こうなってしまったか!」と声を出したくなる結末。
没入感のあるストーリー。キレッキレの会話の応酬。そして思わぬオチ。魅力的なエピソードたちが読者をもてなしてくれること間違いなしです。