死にかけの僕は女神様の厚意で異世界にチート無しで転移しました。待っていたのは訳ありロリっ子ハーレム! 僕には天使のように優しい彼女達ですが、他の人には塩対応、いえ鬼対応です!

石のやっさん

第1話 生きていくのが辛い

僕の名前は木崎理人。


自宅療養中の高校生だ。


そして、恐らく近いうちに死ぬ運命が待っている。


僕が掛かった病は、悪魔の病GIST(ジスト)


俗にいう希少性のガンで、一般的に言われている漢字の癌よりたちが悪い。


気がつくと僕の胃に10センチ大のボールの様な塊が出来ていた。


それは手術で取り出して貰ったのだけど、そこからが地獄だった。


GISTは5センチ以下の腫瘍なら手術のあとに基本は定期検査だけで良い。


だが、僕の様な大きさになると、此処から抗がん治療が始まる。


グリペックという薬を最低3年飲まないといけない。


この薬が異常に高額で、昔は保険を使っても一か月分で25万円もしていたらしい。


GISTについて頑張ってくれた団体がいて、その方たちのおかげで今では月12万円程度……そこに高額療養費制度を使ってようやく1か月あたりの支払が5万円位に納まる。


家は父子家庭で、父さんは余り稼げていない。


それなのに、頑張って僕を私立の高校に入れてくれた……本当に申し訳ない。


それなのにこんな病気に掛かったから、父さんは会社以外に深夜のバイトに出ている。


グリペックの副作用は大きく出る人間と出ない人間がいる。


僕は凄くついてなかった。



グリペックの副作用が大きくてしょっちゅう下痢を起こし、顔がまるで潰れたアンパンのように腫れた。


いつも疲れたような状態でクラスの皆にどれだけ迷惑をかけたか分からない。


高校にはオムツをして通っていたが……神様って酷いと思う。


病気にかかってから毎日祈っていたのに、GISTが転移していた。


しかも、複数の腫瘍が見つかった。


そして、最悪な事に抗がん治療に使っていたグリペックが効かなくなり更に高額な薬へと移っていった。


それなのに……それなのにだ、一向に僕の病は良くならずに、GISTは末期に向かっていった。


体の痛みは激しくなり体は重くトイレに行くのにも一苦労、食べ物をしょっちゅう吐くようになった。


もう余命も出ている。


僕の余命はあと2か月。


そんな中、僕の部屋は1980年代の美少女物に囲まれて過ごしている。


これは父さんが用意してくれた物だ。


なんでも異性への執着が生に繋がるという女優が居て、末期がんから生還したのだとか。


父さん秘蔵のコレクション美少女アニメビデオが俺の部屋で流しっぱなしになっているし、山積みの物も美少女マンガだ。


殆どが……ロリ系なのが辛い。


死ぬ程働いて頑張っている父さんに……流石に僕はロリじゃない。


と言いづらく、そのままだ。


しかし、父さんはロリだったのか。


だが、病気とは別に、変な意味で地味に別の物が僕の心を蝕んでいった。


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