第40話 始業式と…



長いようで短い夏休みも終わりを迎え、新学期が始まった。


久々の学校だ!とはならなかったな。夏休み中に部活動の応援やら課題の相談等々なんだかんだちょくちょく来ていた。

相談なんかはギリギリだったせいで先週きてたもんな…。


今日は始業式だけではあるが、グラウンドからは運動部の元気な声が聞こえてくる。学校開始早々に朝練か、残暑?いや、まだまだ夏場だな。とにかく大変そうだ…。


校舎に入る前に、グラウンドを見渡せる道を通ると夏の大会を応援に行った野球部の見知った子達が頑張って練習しているのが見えた。


え?俺にかな?ぶんぶん元気に手を振ってきてる。後ろを見ても沙耶と美麗しかいないな。とりあえず振り返しておくか。

あっ、監督に怒られてらぁ。確かに集中してたら気付かないよな。さっきまでの笑顔が嘘のように一瞬にしてシュンとしちゃった…。うん。可哀想だけど、いまは練習をがんばれ…!


その後は大人しく教室に向かうことにした。姿見せるだけでも練習の邪魔になっちゃうかもしれないからな!


そうして教室に入り、久々に会うクラスメイト達と挨拶をしていると鐘が鳴った。


今日の日程は始業式だけなので、朝倉先生の先導の元体育館に向かい、例によってすぐに終わる始業式を終えて帰りのホームルームをして帰宅だ。



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帰り道。



「達也さん危ないですの。」


「しょうがないなあ。はい、お手!」


「ああ、ごめん。ちょっとボーっとしてたわ。いや、犬じゃねえわ!」



言いつつ、ちゃんと沙耶の手を握る。ああ、美麗もね。両手に花だ。

俺の身長が低かったら宇宙人に攫われる子供の図になってたが、あいにく高身長イケメンやらせてもらってます。


ちなみに、学校が始まった最初のほうは大して何も入ってないカバンをちゃんと持参してたんだけど、沙耶に強奪…。いや、持たれちゃうので最近は持ってこないようにしている。

カバンくらい持たせて…。まあ、手ぶらで登校にも慣れた。



ボーっとしてたというか考えていたのは文化祭のことだ。

ホームルームの最後の締めに「明日は文化祭でのクラスの出し物を決めます~。各自やりたいことを考えておいてください~。」と朝倉先生が言っていたので、なにがいいかなと考えていたら、ちょっとフラフラしてたようで危なかったようだ。


なにしても楽しめるとは思うけど、二人の意見も聞いてみるか。メイド喫茶よくない?メイド喫茶で決まりだよね?



「二人のメイド姿が見たい。」


「わかりましたの。」


「いいよ~」


「間違えた。二人は文化祭なにかやりたいとかある?」


「どう間違えましたの…?」


「特にないかな~。強いて言えば展示物とかで店番少なめで他の出し物見てまわれる方が嬉しいかな?」


「ぬいぐるみ展…。な、なんでもないですの!!」


ボソッと美麗が呟いて、ハッと俺を見て慌てて否定した。いや、かわいいかよ。



「よし。ぬいぐるみに囲まれたメイド喫茶を作ろう!」


「達也聞いてた…?メイドなら家帰ったらなってあげるから」


「ご奉仕しますの!」



それじゃなんでもいいか。ぬいぐるみ展はさすがに票集まらないだろうな…。

今度美麗には新しいぬいぐるみ買ってあげよう。



「家で見れるならいいか…。ところで家にメイド服なんてあったっけ?今から買いに行く?」



俺は普段通りではあるが、午前中で学校も終わったので時間がある。家でメイド服を見た記憶がないのでそう尋ねる。



「そんなに好きだったんだ!?ん~…どこに売ってるんだろ?」


「任せろ!いま調べる!!」


「達也さん、任せてほしいですの。」


「あ、そうか。龍宮寺家にはメイドさんいるし買ってる場所もわかるのか!頼む!!」


「少しお電話してきますの。」



そう言い美麗が少し離れたところで電話で確認をしてくれている。

そのあいだに、ちょっとモジモジしている沙耶から質問が飛んできた。



「達也はどういうメイド服が好きなの?露出多いのはちょっと恥ずかしいなって…ね?」


「ん?どれも好きだぞ?どんなメイド服にも良さがある!」


「---メイド服ならなんでもいいってこと?」


「急にジト目やめてね?まあ、そうなんだけども…。」


「文化祭でメイド喫茶ありませんように。」


「なんてことを!?」



空を見上げて両手を組んでお願いしないで!!

その後、ボソッとチョロいし心配って聞こえたが難聴系主人公が如く気付かないふりをした。

変に突っかかったら文化祭でメイド喫茶あった場合に行けなくなるかもしれないからな。

え、このクラスってメイド喫茶やってたんだぁ!って感じで乗り込む気なんだ俺は。知らないふりして絶対に行くんだ!!


そんなことを考えていると電話を終えた美麗が戻ってきた。



「しばらくしたら迎えがあるので、お家で待ちますの。」


「おっけ!楽しみだなぁ」



そうして三人で家に帰り、お昼ご飯も食べ終えまったりしていると迎えの車が到着したようだ。



「達也そわそわしすぎかも。そんなに楽しみなの?」


「そりゃそうだろ!だって好きな人の好きな格好だぞ!楽しみじゃない方が嘘だろ!」


「---不意打ちはずるいよぉ」


「ずるいですの!」



二人して照れ始めたので、こっちにも伝播して俺も照れる。突発的に恥ずかしいこと言う癖どうにかならんか俺?

自業自得ではあるんだが、車内に甘い空気が流れて耐えられないので運転手に声を掛ける。



「メイドさん、これってどこに向かってるんです?」


「サキです。」


「えっと…目的地はどこに?」


「サキです。」


「美麗、龍宮寺家のメイドさんはみんなこうなの?」


「自慢のメイドですの。」


「なるほどそうくるか…。サキさん、どこに向かってます?」


「サキです。」



ジト目を向けても無視されるんだが?

呼び捨てじゃないと反応しないのか、それともサキって地名のところでもあるのか…?聞いたことないぞ?



「----サキ、目的地は?」


「精子バンクです。まずは朱莉さんのお迎えにあがっております。」


「朱莉来れるのか!よっしゃ!ありがとう!」



その後は朱莉も合流し、専門店に向かいみんなの分を採寸等してもらいオーダーメイド品の予約をした。俺の意見をだいぶ取り入れてくれた究極のメイド服だ!でも、すぐ出来るわけではないので後日家に届くらしい。


今日見たいんだが…?と少し不満に思っていたが帰りにそんな俺を見かねて?元々そういう予定だったのかはわかんないけど、龍宮寺家のメイド服を貸し出してくれた。

美麗のおかげ?サキさんか…?とにかく感謝だ!



「ただいま~」


「「「「おかえりなさいませご主人様(ですの)」」」」



うん。絶景かな。

なんかしれっとサキさんいるけど、まあいいか。


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