第31話 魔王になる
周辺を狩り尽くしたところで、ふと気付く。
「――あっ、そういえば集合時間と場所を決めてなかった」
しまったな。どこにどれだけの人間がいるか情報交換ができない。時間が掛かるし食べ忘れが出てしまう。
連絡を取りたいけどメニューが開けない以上、個人チャットや通話はできないし、念話とかの便利なスキルもない。
「……まぁいいか。お腹もぺこぺこだし――いただきます」
かなりの時間が経って空腹だ。
食欲には抗えず、俺は今まで殺した人間たちをちょっとずつ食べ始めた。
レベルがそれなりに高くなっているから人間を食べてもなかなかレベルアップはしないが、それでもピコン、ピコンとレベルアップの通知が何度も脳内で響いた。
「おえっ、気持ち悪い……」
人間一人につき一口食べるだけだが、それでもお腹はいっぱいいっぱい。噛んで血を
ピコン。
〈アビリティ【暴食】を習得しました〉
「お、急に満腹の苦しさがなくなった」
どんなアビリティだろ?
アビリティ【暴食】
・満腹になっても食べ続けられる。どんなものでも噛み砕いて食べられるようになる。
「……思った以上に暴食だ」
さっそく活用させてもらおう。
人間を食べることを再開。満腹度を気にせずにいくらでも食べられる。
忘れずに宮殿にも再び訪れ、廊下に倒れている人間を食べ、謁見の間で近衛っぽい兵士、文官、美女、王様だろうイケメンを食べる。
ピコン。
〈アビリティ【美化・中】が【美化・大】になりました〉
〈スキル【オーラ】を習得しました〉
おっ、また美しくなった。
それに新しいスキルだ。
スキル【オーラ】
・プレッシャーを与えるオーラを出せるようになる。レベルに応じてオーラの強度が変わる。
「ほうほう。これはもしかして……強い人たちが
【オーラ】!
使ってみると、体から紫色のオーラが溢れ出した。
「――いや多くない!? レベル高いから?」
あのエルフや集落で戦った中年の男よりも量が多い。
「操れたりは……無理か。使い続ければできるようになるかな? それとも、魔王になれば……」
とにかく、人間を食べてレベルを上げよう。
宮殿を出て再び街中を動き回って人間たちを食べていく。ひたすらその作業の繰り返しで時間は過ぎていくが、レベルがどんどん上がっているので充実感はある。
ピコン。
〈レベルが上がりました〉
〈規定レベル以上にて、進化条件を満たしたのを確認しました〉
〈進化を開始します〉
おぉっ!
ついに魔王か!?
体が光って進化が始まった。
周りに敵がいないので安心して待つと、何事もなく進化が終わる。
ピコン。
〈身体のダメージ及び状態異常を全てリセットし、進化が完了しました〉
〈あなたは種族:ワンダーキャットから、種族:クイーン・ワンダーキャットになりました〉
〈あなたは条件を満たした為、『魔王』の称号が付与されます〉
〈それに伴い、魔王スキルと魔王アビリティ、進化による新たなスキルとアビリティを習得しました〉
〈魔王スキル【魔王の覇気】を習得しました為、効果が重複しているスキル【オーラ】が統合されました〉
〈魔王アビリティ【魔王】を習得しました〉
〈固有アビリティ【ワンダーキャット】を習得しました〉
〈固有アビリティ【ワンダーキャット】を習得した為、効果が重複しているアビリティ【毒耐性・大】、【精神耐性・大】、【即死無効】、【スマイル】、【不思議の国】が統合されました〉
〈スキル【狂気の瞳】が【狂乱の瞳】になりました〉
〈アビリティ【美化・大】がアビリティ【絶世の美女】になりました〉
「魔王……なっちゃったよ」
とにかく、ステータスとスキルやアビリティがどうなってるのか確認しよう
名前:チエ
種族名:ワンダーキャット
レベル:66
固有アビリティ:【ワンダーキャット】
魔王スキル:【魔王の覇気】
魔王アビリティ:【魔王】
スキル:【ネコパンチ】、【ドランクブレス】、【狂乱の瞳】、【人化】
アビリティ:【人語理解】、【酒豪】、【絶世の美女】、【悪食】、【野生の勘】、【暴食】
固有アビリティ【ワンダーキャット】
・常にニヤニヤ笑顔な不思議のネコ。
・不思議の国への扉をいつでもどこでも、幾つでも出したり消したりできる。
・出会ったことがある人の傍に瞬間移動することができる。
・あらゆる状態異常が無効。
・即死無効。
・不老不死。
・物理的に姿を消すことができる。また、部分的に消すこともできる。
・気配を自由自在に操れる。
魔王スキル【魔王の覇気】
・絶大な力を持つオーラを放出して
・レベルに応じてオーラの量と、以下の効果が増加する。
・オーラは障壁として機能する。
・オーラはある程度操作可能で、攻撃にも使える。
・同格の魔王やそれ以上の存在以外、自分より弱いと弱体化させる。さらに弱いと気絶させる。
魔王アビリティ【魔王】
・魔王に相応しい絶大な力を持つ肉体となる。
・レベルに応じて以下の効果が増加する。
・全ての能力が著しく上昇する。
・全ての状態異常の耐性が上昇する。
・浮遊を得る。
・亜空間収納――『アイテムボックス』を得る。
・他者からの恐怖心や信仰心が力となる。
・自身の魔力から、専用衣装を作成できる。
・他の魔王の影響下にない自分よりレベルの低い相手に対し、眷属化の魔法を行使可能。
・自分よりレベルの低い相手に対し、進化の促進が可能。
・自分のレベルの半分以下の相手を、問答無用でこの世界から消せる。
スキル【狂乱の瞳】
・スキルを発動して相手と目を合わせることで、幻覚や幻聴を引き起こし、感情をぐちゃぐちゃにして発狂させる。幻覚や幻聴はランダムで、効果は持続する。自分には効かない。
・スキル【狂気の瞳】より効果が強く、生半可な精神耐性を貫通する。
アビリティ【絶世の美女】
・誰もが羨むほどに外見を美しくする。
・異性に対し、魅了の効果を発揮する。同じ効果のアビリティ持ちや精神耐性が高い相手には効果がない。
「うわぁ……これは凄い。いや想像以上だ」
これなら人間の強者相手に後れを取ることはない。
それに固有スキルがチートみたいな性能をしている。しかも、出会ったことがある相手の傍に瞬間移動までできる。ブラッドとマッスルに会いに行ける。
「……ちょっと行ってみよう」
というわけで、スキル【ワンダーキャット】を発動した。
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