第2話 自己紹介をしよう
こうなってる現在のことは、後で話すとして、少し俺のことを語らせてもらいたい。
俺は、東京のこんな高級料亭で、こんな年で見合いなんてしてるセレブな生まれじゃないんだよ。
俺の名前は、今は有栖川
生まれも東京ではなくて、S県のA町。近くに昔、遠江なんて呼ばれた湖のある町さ。
父さんと母さんは、高校時代からの付き合いで、大学時代に俺を妊娠した母さんは、中退して俺を生んでくれた。父さんは、将来のことがあるからと大学を卒業してから、結婚式をしたそうなんだが……
この親父がとんでもなく、ピカチュウの大ファンだったらしく、大学を卒業するまでいっしょに住めなかった息子に、周囲には《ヒカル》だと嘘を付いて、こんな名前をつけやがったんだ。
でも親父、‥‥‥父さんは、いっしょに暮らし始めて半年ほどで、病気が見つかって、あっという間に死んでしまった。
それからは、母さんが女手一つで俺を育ててくれた。
名前の件は、色々あったけど、
そんな訳で、俺は今まで名前で苦労したことは無かったんだ。
中学校までは、ずっと、保育園から知ってる仲間のようなものだったから
俺、名前以外にはキラキラしたところは1つもない。
自慢じゃないけど、不細工だと思わないけどフツメンくらいだと思っている。眼鏡なしじゃ何も見えないし。
ピカチュウの所為で、ゲームにはハマらなかった。
アニメならどっぷりハマったけど。
フィギュア作りにもハマってる。
ああ~~ 【怪物の幻夢】の聖地巡礼がしたかったな~~
そんな俺の運命が変わったのは、去年の10月だった。
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