第17話 続・Jリーグとわたし
このような表題をつけること自体おこがましいが、俺は無駄にファン歴が長い。 その割には観戦数は少ないので、熱心なサポーターからすればライトファンという位置づけだと思う。アウェー戦は国立競技場でもなければ行ったことがないし。
俺個人の勝手なイメージだが、日本ではプロスポーツというと個人競技が多かったと思う。団体競技は企業部活であってどちらかといえば福利厚生、プロ野球は別格の存在だがやはりその延長上にあると思っていた。
学生時代は斜に構えていたので、企業のステイタスと税金対策のためなんだろうと覚めた目で見ていた。俺の偏見かもしれないが、景気悪くなった企業が真っ先にカットするのがスポーツ支援であり、実業団は活動停止もしくは廃部の憂き目にあう。選手は一労働者になるか解雇。プロ野球の場合は、他企業に売り飛ばされる。
つまり競技団体が主体となって事業をしているわけではなく、親会社の従属物にすぎないのだ。その企業に金があるから出来る見栄なんだろうと。
大学生のころサッカーのプロリーグ化ときいて耳を疑った。そんなことが可能なの?というのが率直な感想だった。しかもワールドカップに出場するための強化目的だときいたからだ。当時の俺にとって、日本代表がワールドカップに出場する、あるいは南米や欧州に勝利するというのは架空世界の出来事だった。
日本人で知っている選手といえば釜本選手ぐらいで、三浦カズ選手はブラジルにいると思っていた。サッカーの試合を見たいと思ったことは一度もなく、いつやってるのかさえ知らなかった。そもそも誰が見に行くのだろう?(後に見たプロジェクトXの映像では観客より選手が多かったと思う。)
興行としてはともかく文化活動の一環として意義があることは、当時の俺でも認めざるを得なかった。スポーツを企業文化の一種と捉えていたので、そこを逸脱した理念(欧州の借り物だとしても)や目的があることは、とても斬新だった。
プロリーグが成立する前にあった壁。それに風穴を開けたのはJリーグだと思う。以前から個人競技者をスポンサードする企業や団体はあったと思う。セミプロの競技者は様々なスポーツで存在していた。ただ彼らの多くは五輪や世界選手権に出場するようなレベルであっても、普段の活動はそこまで注目されていなかったと思う。
アマチュア競技がプロ化にすすむ。Jリーグによるこの流れは一定の成果を上げたと思う。本大会に進むどころか、アジアレベルでも強豪とはいえない競技が注目されレベルが上がった。ホームアンドアウエー、イエローカード等のファンしか知らなかった用語が認知され言葉として定着した。
経済活動の側面では、Jリーグはまだまだ市場規模は小さく生産性は低いと思う。スポーツビジネスが盛んな米国とはとても比較にならない。だから投資対象としては魅力に乏しいと思う。
サッカー発祥の地イングランドは、俺がJリーグを見始めたころはやや寂れていた。当時なにがあったかは知らない。フーリガンの問題でもあったのだろうか?労働者階級のストレスのはけ口に利用されていたような気がする。
それがいつの間にか世界中から代表選手が集まる裕福なリーグとなった。莫大な資産を持つ富豪がオーナーとなり、巨額のお金が飛び交うようになった。当然チケット代は高額になり放映権は高騰した。
どのようにしてこのような現象が起きたかは俺が知る由もなかったが、Jリーグ誕生がきっかけで選手の年俸が上がったことが一因にあると思う。引退したスター選手や第一線から外れた選手に高額な年俸が支払われ、プロリーグが誕生したばかりの国が盛り上がる。
この成功事例によって、改めて自国のリーグや選手の価値を再認識したのではないだろうか?伝統あるサッカー強豪国は社会に深く根付いている。当たり前すぎて自国の文化価値に気が付かないのは、日本人だけではないのかもしれない。
(ここでは有名なボスマン判決は無視する。EU域内の労働者の権利が認められた副作用と本章は無関係なので)
そして利にさとい海外のビジネスマンが商業価値に結び付ける。(本来アマチュアの祭典である五輪が商業化され大会規模が拡大されたことに似ている。)巨大な需要が見込める市場を発掘した・・・とまあなんの根拠もない妄想が膨らんだ。
そういえばこの表題のせいかPV数が微増した。おそらくこの章を読む人は少ないと思う。俺は別にサッカーにくわしいわけでもなく競技経験者でもない。うろ覚えの知識と偏見に満ちた文章は、一度見れば十分と思う読者が大半ではないだろうか。
でも気が向いたらまた作文するんだろうな。
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