第14話

と、私はすっかり自分の世界に入り込んでいた。


「瑠璃、すっごく有名だから。

この街では特にね!」


と葵に呆れられてしまったが、私は大好きな2人が人気者でとっても嬉しかった。


「はぁ〜、だらしない顔になっちゃってるよ。」


「へへっ!なんか言った?」


と私が葵にニヤニヤしながら返事をすると、

なんでもないよ〜と、再度呆れられてしまったのは言うまでもない。


「瑠璃はさ会うの?藍瑠のみんなに」


「会わないよ?まぁお礼言えるなら言いたいけど」


葵がいきなり真剣に聞いてきたから、びっくりしたものの、別にわざわざ会いに行くつもりは私にはなかった。


「お礼?」


「うん!にぃにと龍くん、毎日楽しそうに、幸せそうにしてたから、2人を笑顔にしてくれてありがとうございます!って言いたい!」


「そっか」


私と葵はその後しばらく教室の窓から空を見ていた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る