第2話

「た〜け〜ちゃん!」


私は扉をあけ、ひょこっと顔を出し理事長であろう人の名前を呼んだ。


「お〜瑠璃、待ってたぞ〜!」


と言いながら私に抱きついてきた。


イチノセ タケル

一之瀬武尊、35歳。


私のお父さんのお友達。


一言で言うと元気な人。


「たけちゃん、セクハラですよ〜」


「何言ってんだ。俺と瑠璃の仲だろ?」


「あ〜はいはい笑」


私はたけちゃんを軽くあしらい、ソファーに座る。


「瑠璃、痩せたか?

悟があの日から瑠璃から全然連絡がなくて、

1週間前に久しぶりに瑠璃から連絡が来たかと

思えばウチに転校したいって訳分からねー

こと言いやがってって俺に連絡してきた

んだぞ?」


「へ〜パパそんな余計なことまでたけちゃんに

言ったんだ」


「余計なことって、たまには帰ってやれよ」


「は〜い」


帰る、か〜。


たけちゃんの言っていることを聞き流しながら、

まだ帰るのは嫌だな〜

なんて考えていた。

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