自分に非がある場合は叱られるのも仕方がないのですが、理不尽な事を言ってきたり、最初から無理な事を要求してくる輩に関しては、正直殺意が沸きます。
なので、作中の主人公の気持ちもわからなくもないのです。
ただ、ストレスが過剰にかかることで徐々に些細な事でも怒りの矛先が向くようになってしまうと、自責と他責の境界が曖昧になります。
こうなると今度は逆に自分の方が理不尽な事を言って逆切れしているように周囲に映ってしまうわけです。
相手が虫みたいに見えている一方で、自分も虫みたいなやつになっているのです。
……案外、世にのさばる「虫」は、そういったものの末路だったりするのかもしれません。
ストレスだらけの理不尽な社会だからこそ、自戒の意味を込めてこの作品を読んでみてください。