あと98日 考査勉強。
9月17日。
哲は教科書を開き始めて早10分、既に勉強に飽きたようでスマホを弄っていた。
ここは櫻ヶ丘高校最寄りのファストフード店。
考査一週間前から部活動も停止になり、普段勉強をしていない有象無象が、最後の悪あがきを始めることとなる。
周りを見ると僕達同様勉強に勤しんでいる櫻高生の姿が。
しっかし、普段勉強をしていない奴らはすぐに分かる。
隙あらば、すぐにスマホ。
一問解いたらすぐにスマホ。
小学生もビックリの集中力である。
「……やべぇ!!
充電きれる!!」
おもむろにそう叫んだかと思うと、哲は自身のリュックからUSBライトニングケーブルを取り出した。
そして、座席についているハブへと突き刺し充電を始める。
いやいやどんだけ使ってんだよ、スマホ。
「……ってか、いい加減勉強しろよ」
「いんやぁ~~~、めんどい。
大丈夫大丈夫、赤点回避はできるわ」
志が低すぎる。
ちなみに部活に参加している連中は、赤点以下で補習。
合格するまで部活に参加できないという十字架を背負うことになる。
「ほんと、凪は真面目だなぁ~」
「いやいや、普通テスト前には勉強するだろ」
中学の頃は、
オンラインゲームやら漫画やらひとしきり遊びつくし、果てにたどり着いたのが――――――勉強。
世も末である。
しかしその甲斐あって、そこそこのレベルである櫻ヶ丘高校へと進学することができた。
というか、
それを本人に聞いてみたところ、「受験前にブーストをかけた」そう。
体力だけは有り余っている奴だからこその作戦だったわけだ。
「しっかし、
「……」
ノートに滑らかにシャーペンを走らせていたけど、哲がそう言った瞬間動きを止める。
「何が?」と聞く必要なんてなかった。
言うまでもない。
「……マジであり得ない」
思い出すたびに心の中に浮かぶ早乙女の顔。
言ってしまえば、お先真っ暗。
「別に実行委員を押し付けられる分にはいいよ。
でも、何で早乙女となんだ!?
クソ……!
コバ先もその場の思い付きで決めるんじゃねぇよ……!!」
二人で何かするなんてあり得ないんだ。
死活問題だ。
早乙女と協力して何かするなんて未来、毛ほども想像できない。
「変わってやりたいけどなぁ……。
実行委員はちょっとな」
困り顔で頭を掻く哲。
そりゃそうだ。
部活をやりながら実行委員の職務をするなんて現実的じゃない。
その点、僕も早乙女も帰宅部であるから、別に実生活にそこまで影響があるわけじゃない。
しかし。
だとしてもだろ……!!
「ホントに嫌だ。
ずっと考査期間でいい。
考査が終わったら地獄だ……」
「普通は考査が終われば天国なんだけどな」
苦笑いを浮かべながら、哲はようやく教科書へと向きなおった。
一生考査が終わらないでくれ、と。心の中で祈っては見たものの、特に意味なんて無い。
そこから考査までの期間は、僕の祈り空しく一瞬だった。
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