絶妙なバランス感覚で描き出された、とても美しく、そして鮮烈な作品でした。
人類が滅んでしまった終末の世界。そこで生き残っているマヤとキコの二人。
二人きりで誰もいない遊園地に入り、メリーゴーランドに乗る。
親友であるキコは、自分にとってどんな存在か。恋人のようなものか。でも、ただの友達という感じでもない。
そんな答えの出ない『距離感』に悩むマヤ。
それでも、今のこの世界、二人の時間を「美しいもの」だとは感じられる。
周囲には無数の花が咲き誇る。しかし、その花の下には大量の死体が隠されていることもわかる。
マヤとキコの関係性は、これからどうなっていくのか。静かで美しい時間を送る二人。
しかし、この世界に生き残っているのは本当に二人だけなのか。どこかに男も生き残っていて、キコの心を奪うような「王子様」になりうるのではないか。
そんな世界に風が吹く。美しく咲き誇っていた花を吹き飛ばしていく。
薄皮一枚で覆われた、とても静かで美しい世界。そういう儚い時間を生きている二人の姿に、切なくて、同時に脆いものを感じさせられました。
風が吹くように、二人の元に「変化」が訪れた時、今のような美しい関係でいられるか。そんな想像を強く掻き立てられる作品でした。