異世界転生クソ喰らえ!

なるねぎ

第1話 ふたりの何でも屋

ここはスイラン、豊かな水資源と鉱山資源により、農業、工業で世界に名を馳せている平和な大国。貧富の差は少なく、持たざる者への支援を惜しまない。近隣諸国との関係も極めて友好であるその国の片隅で……


───誰かのノックが聞こえた。

「どうぞ〜」

俺がそう言うと。

─ガチャ

ドアを開いて1人の若い女性が入ってきた。

「あの、ここは何でも屋も聞いてきたのですが」

開口一番、彼女は言った。

「まあまあ、話はゆっくり聞きますから、どうぞそこにおかけになってくださいな」

俺は彼女を近くの椅子に案内し、コーヒーを出した。

「俺がこの何でも屋の店主の岸尾晟(きしお あきら)だ、それで、あなたは…?」

俺がそう口にすると

「私の名前はシエル・マーキュリーと言います」

彼女が自己紹介してくれた、その時だった

「お客さんかい?晟」

突然シエルさんの背後から男がでてきた。

「!?誰です?」

シエルさんが驚いて上擦った声で聞いてくる、無理もない、あれはビビる。突然背後から声が聞こえたのだから。

「相棒、急に出てくるとお客さん驚かせてしまうだろう?」

「すまない晟、そしてお客さん、シエルさんだったかな?」

シエルさんはうなづいた

「僕は晟の相棒の園田誠(そのだ まこと)だ、よろしく」

相棒が自己紹介したのを確認してから、俺は口を開いた。

「話がそれたな、んで、どのようなご依頼かな?」

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