第2話

 一括りに都会とされる場所でも、少し外へ出てしまえば、そこはもう都会ではない。

 一軒家や畑、山などが増え、数十分前の風景からのギャップもあるのだろうか、田舎とされる場所よりも田舎めいて見える。

 紹介された場所は、そんな郊外にある、小さな、それでも立派なオフィスだった。

 数十分に一度しかないバスを降り、バス停から歩いて十五分。大きな家屋が畑と共にぽつぽつと存在する道を抜けた向こうに、それはあった。


 まだ建ってまもないのだろう、締麗な白壁は汚れひとつなく洗練されており、扉や家を囲む棚は全て、黒のアイアンで統一されている。両隣を畑に囲まれる場所ではかなり珍しい、洒落たデザインである。

 そんな家を前に、尾調絆流はどうすればいいのかわからず、ただ目の前に建つ小さな家を見つめていた。

―本当に、ここで大丈夫なのだろうか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

時の狭地 @Shizuka_623

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ