終幕

 飛行船の展望デッキで強風が僕の髪をなびかさせる。

「スセ君、こんな所に居たんだ。一緒にゲーム、してくれんじゃなかったの?」

 いつも通り飄々の薄笑いを浮かべた顔が、見なくても分かる。

「寂しいじゃん?私はさ、この飛行船で人の世界を旅したいんだ、スセ君は何を求めに、この飛行船へ導かれたんだい?」

 僕は、知りたかったのかもしれない……あの日の僕が正しかったのか。

「あはっ♪……見なくても分かっちゃうな、スセ君。自分の考えが正しいかどうかで悩んでるなんて」

「悪いのかよ、僕は、1人殺してしまったんだ。それがただの犯罪者でもな」

 ジョーカーはライン作業するような顔で、冷めた瞳で、僕を覗きこんだ。

「なぁーんだ。それだけの浅さか。今回はハズレか。結構期待したんだけどなぁ——」

 背中が凄く熱くなり、遅れて銃声が聞こえてくる。

「ジョーカー……?」

 まるで虫を潰すかのような構えとその目で、僕の致命を正確に撃ち抜いていた。

 力を入れろと、必死に思うだけで、僕は膝から崩れ落ちていく。

「自分の考えに信頼出来ないやつは、言葉を喋る屍だよ♪」

 その言葉を最後に、僕の意識は途切れた。

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詐欺師は今日も踊る 東井タカヒロ @touitakahiro

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