靴箱

靴や

渓谷にて


 沁みわたる


 まるで墨の滲みわたる


 和紙のような柔肌に


 ふわりと浮かぶ湯の花が


 そっと体に寄り添って


 冷えた身体を包みこみ


 芯の髄まで温める



 雪舞う夜の星空は


 澄んで輝く明星を


 ぼぉっと眺めて目を瞑り


 音を遠くに追いやって


 眠るように息を吐く

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