第14話 めちゃくちゃ面白そう~本田廉~

 いやー、楽しかったなあ、部活動説明会。まさか高校生になって1日がかりでここまで盛大にやってくれるとは思わなかったよ。この学校、ほんとにいろんな部活があるんだね。僕はもう入りたいのあるけど、みんなは何部に入るのかな?よーし、ちょっと聞いてみよう!


まずは…あっ、居た居た

「ねえねえガンデン君、君はどんな部活に入るのかな?」

昔からある程度どんなのでもこなせるスポーツマンの幼馴染に早速何をやるのか突撃してみた。ただ、こいつの口からは予想外の答えが返ってきた

「あー、悪いけどもう運動部はやんねーよ」

「はー?何言ってんの、あんた運動以外できないじゃん。ていうか他に趣味とかあったっけ?」

「うるせーな、アニメが好きなの知ってんだろ?高校でやってけるほどじゃねーのは自分でもよくわかってるし、こっからは趣味じゃ続けらんねーよ。こっからは今までできなかったアニメ見たりゲームしたりすんだよ」

「はー、まさか君に僕なんかと同じ趣味があったなんてなー、思ってもみなかったなー」こいつがアニメ好きなのは知ってはいたけど、面白いもんだからちょっと揶揄ってやる。だって今まで運動一筋だったこいつが運動部はもうやめるっていうなんて、僕はちょっと信じられないなあ。まあ、中学の時はずーっと練習だって言われて遊べなかったし、テスト前の時とか夏休みの合宿帰りは顧問がうるさいからって言われて勉強で助けてあげたからねえ。挙句の果てにはちょっと人が良すぎるせいで助っ人頼まれては断らないし…こっからはのんびりすんのもよさそうだね。


「まあいいんじゃない?じゃ、また今度一緒にカードゲームでもしますか!」

「俺のデッキ古いし、新しいの買わなきゃなあ。あっ、あとおすすめの電子マネーってどんなの?」

「えー、いきなりその世界に行く?まあ、コンビニにあるやつ買うのが無難だね」

一緒に買いに行こうと誘われたけど、あいにく僕は用事があったのでここで別れた。


次は誰かいないかなーっと…おや?

「やっほー、翔平、薫璃ちゃん!ねえねえ、何部入るか決めた?」

隣のクラスの音楽が好きな二人。大体想像はつくけど、一応聞いてはみる。

「本田じゃん。俺は軽音。入る前からドラムやるって決めてる」

「へー、凄いじゃん。かっこいい!絶対似合うよ」

「今度中田と一緒に入部届出してくるよ。あいつはボーカル志望なんだけど、お前もどう?」

「いいよ、私そんな声に自信ないし。薫璃ちゃんは?」

「うーん。吹奏楽続けたいけど、ちょっと家遠いからねー。入試もあるし、もうちょっと考えてみる。そう言う廉は名に入るか決めたの?」


お、流石薫璃ちゃん。よくぞ聞いてくれた!

「私?私はねー、演劇部!みんなの前で演技して、演じてる私をみんなが見てくれる。めちゃくちゃ面白そうじゃん!アイドルになったみたい」 言いながら、一瞬にして私の脳内に最高の舞台が浮かんだ。シンデレラの衣装を着てステージの中央に立つ私。隣には王子様。周りからは十重二十重の拍手と大歓声。ああ、想像するだけでドキドキしちゃう!…意識してなかったけど、二人の表情見るに口に出ちゃってたなー、これ。


若干恥ずかしくなる中、

「楽しそうだね、応援してるよ!」と嬉しそうに笑顔で返す薫璃ちゃん。

「いいじゃん。どっちが文化祭でより盛り上げられるか楽しみだな」と自信ありげに言う翔平。初めてのお客さんに手を振り、その未来へのチケットを貰いに駆けだした。なんでも、今日行くと週末に駅前でやる公演の招待券を貰えるらしい。


無事チケットを貰った帰り道、ちょっと大柄でポニーテールの女の子にあった。どうやらこの子も劇に行くらしい。一緒に行きたいと思い、早速LINEをゲットした。








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