◆光の守り人：泡の王国の秘密に触れる夜

夜の水族館、静かに揺れる青い世界。

ゆりあは、水槽の前に立ち、タツノオトシゴたちの動きをじっと見つめていた。

「……やっぱり、囲んでる」

小さな騎士たちは、まるで"何か"を守るように泡の中を巡っていた。

昼間にはなかった光が、泡の間でほのかに揺らめく。

「クック……光の守り人……」

オウムがゆっくりと囁く。

「光の……守り人？」

ゆりあは水槽のガラスにそっと手を当てた。

その瞬間——

——パチッ。

小さな閃光が水の中で弾けた。

ゆりあの視界が、一瞬だけ揺らぐ。

「え……？」

泡が揺れ、光が踊る。

ゆりあは、水槽の奥に"何か"を見た。

◆泡の中に眠るもの：隠された光の記憶

ゆりあの目の前に広がる、青い世界。

水槽の中とは違う、不思議な光景。

タツノオトシゴたちが、まるで"何か"を囲んでいる。

彼らの泳ぎ方が、泡の中に光の模様を描いていく。

——その光が、"文字"に見えた。

「……これ、何かの形？」

ゆりあは、目を凝らす。

「クック……夜だけ見える……記憶……」

オウムが静かに囁いた。

記憶——？

ゆりあは、再び光の模様を見つめる。

タツノオトシゴたちは、何かを伝えようとしている。

「……何を、教えたいの？」

そのとき——

水の奥で、ひときわ大きな泡が膨らみ、ふわりと浮かび上がった。

——そこに、"何か"が映っている。

◆夜だけのメッセージ：タツノオトシゴの使命

泡に映る光景。

それは、昔の水族館の姿だった。

今とは違うレイアウト、少し古びた水槽。

その中を、たくさんのタツノオトシゴたちが泳いでいる。

——しかし、次の瞬間。

「……いなくなった……？」

ゆりあの声が震えた。

泡の映像の中で、タツノオトシゴたちは次々と消えていった。

まるで、そこにいたことすらなかったかのように。

「クック……昔……消えた……」

オウムがそっと囁く。

「……この水槽にいた子たち、いなくなったの？」

ゆりあは水槽の中のタツノオトシゴたちを見た。

彼らは変わらず、小さな体で泡の間を泳ぎ続けている。

けれど——

——彼らは、"消えた仲間たち"を守っているのでは？

「君たちは……"何か"を待ってるの？」

タツノオトシゴたちは、小さく震えるように泡の中で踊った。

その動きが、まるで「うん」と言っているように見えた。

◆夜の記憶を繋ぐ：泡の王国の秘密

「……夜の水族館には、まだ私の知らないことがある」

ゆりあは、そっと水槽のガラスを撫でる。

泡の中で輝く光。

それが示しているものは——過去に消えた仲間たち。

「夜だけ見える、光の記憶……」

オウムが小さく頷くように羽を震わせた。

タツノオトシゴたちは、泡の中で光を繋ぎ続けている。

それは、消えてしまった誰かを忘れないために。

そして——

「クック……光は、まだここに……」

オウムの声が、ゆりあの耳に響いた。

夜の水族館には、まだ解き明かされていない秘密がある。

そして、その鍵を握るのは——

タツノオトシゴたちが守る"光"。

ゆりあは、それを確かめるために、次の夜もここに来ようと決めた。

◆ゆりあの決意：泡の王国の謎を解き明かす

ゆりあは、水槽の前に立ち、タツノオトシゴたちを見つめた。

「……君たち、本当にすごいね」

小さな体で、消えてしまった仲間たちの記憶を守り続けている。

その姿に、ゆりあは心を打たれた。

「私も、君たちと一緒に、この水族館の秘密を解き明かしたい」

ゆりあは、そう決意した。

次の夜、ゆりあは、再びこの水族館へ来る。

そして、タツノオトシゴたちと共に、泡の王国の謎を追う。

◆深まる謎：光の記憶が語る真実

ゆりあは、水槽の中のタツノオトシゴたちを見つめた。

彼らは、昼間と変わらず、小さな体で泡の間を泳ぎ続けている。

しかし、その瞳には、どこか悲しみが宿っているように見えた。

「……君たちは、消えてしまった仲間たちのことを、ずっと覚えているんだね」

ゆりあは、優しく呟いた。

その時、オウムが再び口を開いた。

「クック……記憶は……消えない……」

「……消えない？」

ゆりあは、オウムの言葉の意味を考えた。

記憶は、時間とともに薄れていくものだと思っていた。しかし、オウムは「消えない」と言った。それは、どういうことなのだろうか？

「もしかしたら……タツノオトシゴたちは、消えてしまった仲間たちの記憶を、光の中に閉じ込めているのかもしれない」

ゆりあは、そう考えた。

「そして、その記憶は、夜になると、こうして再び姿を現す……」

ゆりあは、水槽の中に揺らめく光を見つめた。

それは、タツノオトシゴたちの仲間たちの記憶。

そして、それは、この水族館に隠された、ある秘密を解き明かす鍵となるのかもしれない。

◆次回「泡に映る夢」——光の記憶が目覚める

夜の水族館で、ゆりあはさらなる秘密に近づく。

タツノオトシゴたちが守る光の記憶、その本当の意味とは？

ゆりあは、泡の王国の"夢"に触れようとする——。

To be continued…