主人公・天宮煌太が12歳の冬、カナダ旅行で出会った銀髪の少女、白瀬那緒。スノーボードが上手く滑れずに転んでいた煌太に、那緒は滑り方を教えてくれました。まるで雪の妖精のように美しく滑る那緒の姿に、煌太は初めての恋心を抱きました。しかし別れ際に名前を教え合っただけで、その後二人が会うことはありませんでした。
10年後、カメラマンとして働き始めた煌太は、朝のニュースでスノーボード世界選手権の銀メダリスト「白瀬那緒」の名前を耳にします。そこで衝撃の事実が発覚。初恋の相手は男性でした。
偶然の再会から始まる二人の物語は、過去のトラウマや葛藤を乗り越え、新たな絆の形成へと展開していきます。煌太は那緒の心の傷を癒し、再び笑顔で滑れるよう支えていきます。
性別を超えた絆や愛情、過去のトラウマからの回復、そして自分らしさを取り戻す旅を描いたヒューマンドラマ。スノーボードという競技を通じて描かれる情熱や挫折、そして人間関係の複雑さが丁寧に描かれています。
煌太と那緒の関係が友情から始まり、次第に深まっていく様子が繊細に表現されています。また那緒とライアンの過去の関係や、煌太が那緒を支える姿など、多様な人間関係が物語の奥行きを生み出しています。
初恋の相手が男性だったという展開から始まるこの物語。読者に「本当の絆とは何か」を考えさせてくれる、心温まる作品です。