彩音と善人を恋仲に
サガミ
第1話 あらすじネタバレまで含む
あらすじ
過去の世界に行き、優れた男女をくっつけて子供を産ませる。それが美玖と遥の仕事だった。今回のターゲットは大垣彩音と向後善人。二人を恋仲にするべく美玖と遥は過去へと出勤する。
まず二人は彩音の親友である沙也加に接触。事情を話して協力を仰ぐ。沙也加はそれを了承した。その理由は親友である彩音の幸せを願ったからではなく、彩音への想いに見切りをつけるためだった。沙也加は同性の彩音のことを愛していた。
当の彩音はそんなことも知らず普通の日常を送っていた。
高校の卒業式の日。彩音は沙也加と遊びに出かける。女子会かと思いきや、それは五対五の合コンだった。そこで彩音は向後善人と出会う。同じ大学ということもあり、一緒に授業を受けていく中で彩音は向後の真面目な人柄を知っていく。
そして数々の恋愛心理学を駆使され、友達の協力、美玖と遥の策略もあって彩音は向後が好きだということを自覚する。
結果、二人は結ばれる。
なぜ彩音と向後をカップルにしたかったのか、沙也加は美玖に尋ねる。それは、二人をカップルにして子供を産ませれば、国に利益がうまれるからという理由だった。遺伝子の相性がいい二人を結ばせ、知能が優れた子どもを産ませることができれば、未来のGDPが上がり、そこでの想定マージンが美玖と遥に入るというシステム。
過去に戻り、指定された男と女をマッチングさせてお金を得る。美玖と遥はそれを仕事にしていた。
愛という幻想的で素晴らしいものが、お金という現実的で汚らしいものに還元させられているその事実は沙也加にとって気持ちが悪かった。
しかし、これで沙也加は自分の想いにけりを付けることができた。同性愛は非常識で、絶対に持ってはいけない感情だと沙也加は思っていた。だから彩音が自分ではない普通の男と結ばれることは嬉しかった。でもそれと同時に悲しかった。
人は相反する感情を持つ、一貫性のない矛盾した生き物だということを知った。
人はあらゆることに目をつむりながら、生きていかなければならないことを彼女は知った。
最後、美玖と遥は未だ不自由な生き方しかできない現代を嘆き、本案件は収束する。
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