梶園代さんは可愛いと言われたいけど俺は言うタイミングが分からなかった!!でも内心"惚れていた"(笑)
アレクサンドル
あっという間の"俺"と"私"の物語
「あ、園代のその写真可愛い」
「え、そう?」
私、
"可愛い"……、
これを言われることがほぼ毎日で、それが嬉しい女子高生なんだ!!
けど……
「角山ー」
「ん?」
「おーはよ♡」
ウインクしながらのおはようを決めてやった!!これはイチコロでしょ!!
「よっす」
「」
"よっす"の一言で尽きた。
そう……この
「あ、
「は?まだ朝休みだぞ?」
角山は何でこんな抜けてるのに可愛いを……あーいや、抜けてる……つまり純情だから私の魅力に気づかないのか。
私、
身長168cm。体重50kg前半のバストEカップ。そして自分で言うのもあれだけど腰はキュッとしてお尻はボンっとしていて茶髪のロングヘアー。で……と、とにかく可愛いの////!!!!
でっ!!!
モデルやアイドルのスカウトだって数えきれないほどされてきた!でも……、
「久志ー、なんか奢って」
「何を?」
「自販機のジュース全部」
「お前からそれほどの恩を受けたことねーから無理に決まってんだろアホ(笑)」
「ひでぇー(笑)」
あの
『ねぇ俺、席座りたいからさ。邪魔なんだけど?』
「」
はあぁぁぁぁ!!!!!!?
いやいや、勝手に角山の席に座った私が悪いよ!!!?でも言い方があるでしょ!!!!
"退いてくれない?"か"退いてくれません?"とか優しい言い方あんだろ!!!!
"邪魔なんだけど"
「うわーー!!!!」
「そ、園代?」
その一言を言われてから私はやたら、角山を意識するようになった………、
あ、つまり……一目惚れってことね//////?
まぁ、私は頭が良いから角山に対するこの気持ちが何なのかすぐ理解した。
"素で接してくれた"。
これね?
だって、私に接してくる男子はほとんど自分の名誉か性的の目とか自分をカッコつけて下心ましましで接してくる。でも……角山は、
"邪魔なんだけど"
この私を見ていなかった…//////
最高だよ。これで私に可愛いを言ってくれるようになったらそれこそ私のことを心から夢中になってくれるってことじゃないの?
だから……、
「園代?角山見てんの?」
「ん?別に…(笑)」
絶対に付き合ってやる……!!
ーーー
「なぁ、晃人」
「ん?」
「お前、梶さんのこと可愛いって思ってる?」
俺、
「…………可愛いだろ//////」
俺は顔を赤らめ、口を腕で隠しながらそう言った。梶さんとは一緒のクラスの
「え、マジ?でもお前、梶さんに態度冷たくね?てっきりぶりっ子じみた人は生理的に受け付けないんだと思ってた」
「言うタイミングがねーんだよ」
「」
「梶さんに可愛いって伝えるタイミングが分からないんだよ」
「普通に言えば良いんじゃね?放課後の誰もいない教室とかでさ」
「そういうもんか?」
「じゃあ何を心配してんだよ」
「付き合ってくれって言うタイミングもその時でいいと思う?」
「」
久志は固まっていた。
「可愛いって言ったらもう自分を抑制できないしよ……つーかあんなに俺に声を掛けてくれるってことは脈アリだろ?俺、最初話した時に思わず"邪魔"とか言っちゃって後悔してたんだよ。でも、話しかける前から可愛いってさ……//////」
「ちょっ、ちょちょ、ちょっ。お前、そんなに好意持ってたの?」
「実はな」
「…………どこが一番好きなの?」
「前向きな所」
「どうして?」
「え、だって俺に冷たい言葉吐かれてもいつも優しく接してくれるから」
「冷やかしてるだけかもよ?」
「にしてはいつも視線を感じてるんだよな」
「………思い込みだろって言いたいけど………よし」
「ん?」
「今日にでも"可愛い"ってだけでも言ってみろよ」
久志は閃いたように言う。
「!!!!!…え……流石に急すぎないか?」
「逆だよ。流石に1年以上の間、好きって気持ちを隠して尚且つ、梶さんも俺のことが好きだろって思ってると思わぬ所で予想できないことが起きるかもしれないだろ?」
「例えば?」
「本当に可能性は低いかもだけど梶さんがお前の気を引くために他の男子と付き合ったりしたら?」
「!!!そ、それは…………」
「誰にもメリットが起きない状況が起こり得るんだよ。だから、覚悟決めろ」
「」
ーーー
「それで角山?」
角山は私を呼び出した。
「あ、あの梶さんに用があってさ」
今は放課後の誰もいない教室。
「え、何?」
怖い怖い怖い……え、なんか私やらかした?もしかして今後話しかけるなってこと?
「梶さんにまずは謝る」
「」
「俺、梶さんに冷たい態度をとってたかもしれない」
「あ………」
自覚はあったんだな……。
「だから…ごめん」
そう言ってペコリと頭を下げる。
「ちょっ!角山!」
「だ、だから一つ聞いていい?」
「え…?」
「梶さんは俺のこと……き、嫌いかな?」
「」
角山はふと、私の目を見て聞いてきた。
「」
私は突然過ぎる展開にもう頭が回らなかった……、
のに。
「嫌いじゃないよ?」
「」
第一声は普通に出た。
「寧ろ角山が私を嫌いなのかなってすら思ってた(笑)」
「い、いや!!」
「ふふっ」
私は不思議と慌てる角山が珍しくて笑っていた。
「…………そ、その……何を言うのが正解かは分からないけど……一ついい?」
「え?」
「可愛いよ」
「」
「梶さんは可愛い」
「」
「ずっと思ってた……でも……言えなかった」
角山は激しく顔を赤くしていた。ここまで赤くして照れてるなんて……。
「そ、それでさ……それで……そ、そそ……その…」
角山は上手く口が回ってなかった。
「ずっと一つ言いたいことが……」
「角山」
「は、はい」
「まず、私に対してどんな風に思ってたのか教えてよ」
「」
私は自然と溢れた笑顔で角山に微笑みかける。
「好きな人の話を聞きたいって私の中の私が主張してるから////////(笑)」
「」
ーーー
「てな感じで私とパパが付き合い始めたのかな」
「へーー!!!そーなんだ!!ママって良いとこ取りだね!!!」
「そ、そう言わないでよ……だって嬉しかったんだもん…」
4歳の娘にリビングでそう言われ、私、角山園代は口籠る。
「まぁ、パパが勇気出してくれたから今があるのかな…//////」
「パパカッコいい!!」
ガチャ。
「ただいまー」
「あ!!パパだ!!!」
そう言って娘は玄関に向かって走る。
「パパお帰り!!」
「ははっ、ただいま」
そして、娘を抱っこしながら……、
「ただいま、園代!」
笑顔で旦那の角山晃人が笑ってきた。
「おかえりなさい!」
私は笑顔で晃人を迎え入れた。
完
梶園代さんは可愛いと言われたいけど俺は言うタイミングが分からなかった!!でも内心"惚れていた"(笑) アレクサンドル @ovaore
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