レボリューションロマンチックス

鏑木レイジ

第1話花びらの接吻

宇宙の中で、果てしないなら、声がする。

愛を乞う声が。

光の中で、踊るなら、希望の明日が見える。

見つけてくれよ

見ていてほしい

君が泣いている。

君が笑っている。

ささやかな晩に口づけを乞い求める

ハートが、燃えて、揺れる。

途上の僕の心に、うずく、羽化していく欲望を止められない。

いっそ、止めないで。

花びらに接吻

すると、開く、花が、歌を歌う。

一斉にハミングする月が降りて、宇宙の果てからこんにちは

孤独気流に乗って、今日も元気です

あなたは元気です?

僕の手紙が届いたら、宇宙の今が鳴っている

見つけてよ

私を

いつか。

宇宙の中で。

迷子なのよ

と言って、乞い求める指が、漆黒の中でさ迷うから

ハートに触れたら、迷子の二人に、知らせてほしい

きっと、きっと、と言ってロマンチックに歌う、鳥にキスの夢を見せてほしい

光の中で踊ってよ

そしたら、苦しみだって、きっと、光を求めるから

数えないで

あなたの心を

僕は、季節に憧れるコーディネイトをする。

そんな気持ちで、花を愛でて、うっとりと握り合う恋人同士の今を、どこか、所在なげな寂しさで、空に追う

追いかけても、追いかけても、憧れは、消えない

まるで花びらにキスするように。

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