第15話 レンタル作業ルーム
翌日土曜日志乃に急かされ、8時にダイブした。
「今日は何をする?」
「貰った『上級鑑定』使いたい! 南の冒険者ゾーンに行くよ!」
「私も『上級雷魔法』使いたい! 南で良いよ」
「僕は『特種鍛冶師』で何か作製したいぞ」
「じゃ、南に決定!!」
「待ってよ? 冒険者ゾーンで鍛冶仕事出来ないぞ」
「チッチ! 甘いよミルクティーに砂糖3杯入れた位甘いよ美鈴!!」
独特の比喩で、ドヤ顔の志乃が言った。
「南の施設、北ほど立派じゃ無いけどレンタル作業ルームが有るのよ!」
「へっ? 冒険者ゾーンにレンタル作業ルームが有った?」
「狩った獲物の処理場なんだけど、一部鍛冶作業場や錬金作業場に調理室など、多目的レンタル作業ルーム! しかも無料の施設だよ!!」
『自由世界を堪能』では冒険者が大人気で、冒険者ギルドは人で溢れてる、反面各種職人はスキル取得が困難な為、登録時職人スキルを選択した少数の人しか居ない。
「折角無料のレンタルルームなのに、鍛冶や錬金どころか、解体や料理する人も居ない、ほとんど無人だ」
姉ちゃんに志乃は、森の奥に行ってしまった。
貰った『特種鍛冶師』を使ってみるため、レンタル作業ルームに来て勿体無い様な状態に驚いた。
先客一人に挨拶。
「おじさん、これから魔物狩って素材集めして、何か作ろうと思います、宜しくお願いします」
「おっ? 若いのに製産系目指すか? 心強い事だ!」
「薬草調合と特種鍛冶師のスキルを手に入れる事が出来て、今日は特種鍛冶師の作業出来たら良いと思って居ます」
「おっ! 凄く希少なスキル二つも持って居るのか! 羨ましい! 儂はリアルで刀鍛冶して居って、VR世界では普通の鍛冶師だ」
「リアルで刀鍛冶されてるって、抜刀術とかされてます?」
「少々かじっては居る」
「やったぁ! 師匠ご指導願えますか?」
「暇な時、一緒に鍛練するくらいで良ければ、嬢ちゃん? 何かやって居るのか?」
「中二ですが、剣道初段、拳生流空手初段、柔道は13歳なので初段受けられず1級です」
「将来有望な武道少女だな! 儂の技全て伝授しよう!」
何か、凄い人材がファースト世界に埋もれて居た!!
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