第3話
湊人が学校に来たのは昼休みが終わる頃だった。
「湊人〜おはよー」
秦弥は笑顔で駆け寄る。私も湊人の元へ行く。
「もう、こんにちはでしょw」
湊人は笑いながら言う。
私はもう湊人の彼女じゃない。湊人は普通に接してくれている。ただ、友達に戻っただけ。
「5時間目、英語の小テストあるよ」
「えっ!聞いてないんだけど!」
そう言ったのは湊人じゃなくて秦弥だった。
「さっき、言ったじゃん」
「秦弥は話、聞いてないから」
湊人が笑って言った。
昨日までは一緒に学校に来てた。いつも私の隣にいた。ただ関係が戻っただけ。
なのに、なんでこんなに辛いんだろ、、
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〜不一郎side〜
「桜花と別れたんだって?」
俺がそう言うと、湊人は動揺の仕草も見せず前を見て
言った。
「桜花に聞いたんだ、俺、彼女いるから」
「それも聞いた。彼女っていつから?」
「最き…」
「いや、俺聞きたかったのそれじゃない。湊人今、桜花のこと好き?」
湊人は少し考えてでも、そんな悩まず口を開いた。
「俺、彼女いるって」
少し考えたくせに“彼女がいる”と答えたことに腹が立って、俺は湊人の首元を掴んで壁に押し付けた。
湊人の身体は僕より圧倒的に筋肉があって、同じ男なのにこんなにも違うんだなって悲しくなった。
「湊人が桜花を“好き”って言わないなら俺が桜花をもらうから!」
ずっと思ってたことを口にすると湊人は、
「俺、桜花好きじゃないよ」
と言い残して去って行った。
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