第7話

珠華が誕生する少し前


俺は拓也と共に

車で南へと到着した



陣痛に苦しむ暖華に圧倒され


何もしてやれない

自分の無力さに唖然とした



龍夜も…暁の時はこんなだったかな


そんな事を考えつつ

暖華の手を握ってやる


「苦しいよね…何かして欲しい事ある」

『大丈夫…波があるから今は平気

そこのペットボトル取ってくれる』


ペットボトルを渡してやると

何口か飲んでベッドの上で

また丸くなる暖華


そう言えば俺来てから見てないけど

「先生は来てるの?」

『うん 一度来て…

まだ暫くかかるから

また後で見に来るって


変わった事があったら

ナースコール押すようにって』

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