第2話 うるさいわね



ん、まぶしいわね。


体がだるい。






=バサバサ=






あぁ、そうかお腹を刺されて死んだのだったわね。


痛みがないなんてさすが死後の世界かしら。




天国かしら?


地獄かもしれないわね。




まぁ、どっちでも同じか


もう疲れてしまった。






=バサバサ=






最後に祈った通り、彼は天国に行けたかしら?


贅沢をいうなら同じところに行きたかったのでけど…


そこまで望んでは強欲か、






”リ、、ザ、、”






ん?誰かに呼ばれた気がする。






=バサバサ=




ってか、さっきからバサバサうるさいわね!


少し、イライラしてきたときに、








”リザ!!”






あら?彼の声が聞こえてくるは?


まさか、幻聴かしら?


ここまでくるとちょっとやばいやつよね私…


まぁ、幻聴でも声が聞こえるならこのままでいいわ!


そう思って聞いているというのに…






”リザ!起き=バサバサ=て!!”






「ちょっと!!彼の声が聞こえないじゃない!!!


 バサバサ、バサバサうるさいのよ!!!!」






ガバっ!!!


勢いよくだるかった体も気にせず起き上がる。




すると、真っ白な空間であった。


一瞬幻聴もバサバサも忘れてしまい。






「あら?地獄?天国?どちらかはっきりしてほしいはね。」






と、口からでてしまった。


あら、声はでるのね。


まぁ、死後の世界だしなんでもありなのかもね。


と、自己完結をした。




少し見渡そうかと思ったとき、腹部に衝撃がはしいった。


今更、刺された傷が復活したのかと思って慌てたが、






そちらを見て固まった。








あぁ、






あぁ、






あぁ、勝手に頬が濡れていく、






私が見間違うはずがない






最後まで見ていたのだから






精一杯祈ったのだから!!!










「ギル…」










腹部の衝撃は、








抱きつかれたもの








その正体は、


























私の愛しい、愛しい、旦那様であった。


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