さようなら大好きで大嫌いな人

綴音華柏(つづねこはく)

第1話 プロローグ

パシン。頬へと伝わるほのかな痛みに私は目を見開いた。どうして?私は何もしていないのに……


「嶺衣……お前がそんな奴だったとは思わなかった。別れてくれ」


「ま……待ってよ私はなにも……!」


「……悪いけど今のお前を信じるつもりはねぇよ」


恋人からの冷たい目。部活の仲間からの軽蔑の目。あぁもう私の居場所は無いんだ……もうここは私の居場所なんかじゃない。


「……そっか。私よりその子を信じるんだね。いいよ別れよう。」


「っ……まずは謝れよ!」


「私は何もしてない。何もしてないのに謝るなんて……絶対嫌。さようなら大好きだったよ。だいっきらい!」

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