第24話
私が落ちた一件から皆少し怖気ついたのか、今日は早めに練習を切り上げることにした。
「じゃ、じゃあまたあとでね」
テグァンにそう伝えられて、テグァンとハジンはバスケ部の方へ、私とユナはテニス部の方へと別れて歩く。
「ねねね、さっきのまたあとでってどういうこと?」
二人と別れるとすぐにユナにそう聞かれる。
「え、今日みんなで一緒に帰るんじゃないの?だから待ってるってことだとてっきり。」
「え!なにそれ、聞いてないんだけど!」
かなり大きめの声でそういったユナ。
そしてずっと大きな目をさらに大きく見開いている。
「それ、二人で帰ろうってことじゃん。」
おー、テグァンやっとかー。なんて空を見上げながら吐き出すユナ。
「どういうこと?」
「あ、いやいやなんでも」
なんて言ってるけど顔はニヤけてる。
「正直さ、モモってテグァンのことどう思ってる?」
「へっ?」
あまりにも唐突なその質問に、思わず声が裏返る。
今このタイミングでのその質問の意図が全くわからない。
「ど、どうって、どういう?」
「ほら、テグァンって、綺麗な顔してるし、身長も高いじゃん。ああ見えて割とファンも多いし。だからまあ、恋愛対象に入ったりしてるのかなーって。」
恋愛対象、、か。
確かにテグァンはかっこいいと思う。
だけど今はまだ、恋愛以前に友達と呼べるのかすら危うい状態だ。
普段テグァンはハジンやユナと一緒にいる時はよく笑っていて、口数も多い。
だけど私といる時は、すぐに目を逸らされるし、あまり話をするイメージがない。
もしかして避けられてるのかな。
一緒に行動するグループにいるから仲良くしているだけで、私のことは友達と思ってないとか。
考えれば考えるほど、負のループに陥っていく。
「…友達、、かな?」
「やっぱりそうだよね。」
なんて苦笑するユナ。
「じゃあ、モモの中でテグァンは苦手な人?」
そう聞かれて少し言葉に詰まる。
まだ気まずさは残るものの、最近はだんだん慣れてきていた。
でも、だからといって、ユナやハジンのように仲良く話すわけでもない。
「…よくわからないな。それに、なんだかテグァンに避けられている気がするし…」
「やっぱそう思うのも無理はないわ。」
あちゃーといったような表情でそう言うユナ。
「テグァンって、元々よく喋るタイプじゃないし、ちょっと不器用っていうか、そこに人見知りが重なって最初は結構冷たく見られがちなんだよね。
でも、中身はすっごいいい奴だから。それに、避けてる人に一緒に帰ろうなんてわざわざ誘わないから!
だから、テグァンなりにモモと仲良くなりたいんだと思うよ。」
そういって肩をポンポンと叩いてきた。
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