第14話
「んー!めっちゃ美味しい!」
この店のトッポギはユナが言う通りすごく美味しかった。
すごくモチモチしていて、噛み応え抜群。
スープは甘辛で、辛いのが苦手な私でも難なく食べれた。
ずっと辛いのを食べていたせいか、味変のためにチョコチーズボールを口に運ぶ。
まだ暖かくて、中からチョコレートとチーズがとろりと出てくる。
「これもめっちゃ、ゴホゴホッ…」
美味しいと言おうとした瞬間、上にかかっていた粉砂糖が一気に喉に入ってきてむせる。
「大丈夫?ほら水飲んで。」
ユナが背中をさすりながら水をくれる。
それを飲むと一気に詰まっていたものがなくなってスッキリした。
「あら、また来たのね。いらっしゃい。」
店のドアのベルの後におばちゃんの声が聞こえ、自然とドアの方へ目を移す。
「え…」
「おー!ハジンとテグァンじゃん!」
「やっほー!奇遇だね。」
そこにいたのはシン•ハジンと、その後ろでまた私とバッチリ目が合ったカン•テグァンだった。
目が合った瞬間、いつもよりも豪快に目を逸らされる。
どうしよう、気まずい。
まさかこんなとこで会うなんて…
「なんだあんた達仲良かったのね!もう一緒にそこ座りなさい。」
とおばちゃんは二人に私たちの席に座るように言ってきた。
そしてユナが私の隣に移動してきて、ユナが座っていた場所に二人が座ることになった。
そしてシン•ハジンがニヤニヤしながらカン•テグァンを奥に座らせる。
急に男子が、ましてやカン•テグァン達が来たことに緊張して自然と俯き気味になる。
「モモちゃん、だよね?」
急に自分の名前を呼ばれ、驚いてパッと顔を上げる
「う、うん。シン•ハジン、とカン•テグァン、だよね、?」
「なんでフルネームなの。」
と言ってツボにハマってしまったのか爆笑してる。
「呼び捨てでいいから。あとさ、彼氏いるの?」
「ゴホッ…」
予想外の質問に、今度は完全にむせてしまう。
「ちょ、なに急にそんなこと聞いてんの。モモ、大丈夫?」
そう言ってユナが一発パンっと音がなるくらい強くハジンの肩を叩く。
「いってー!いや、日本から可愛い転校生が来たって結構バスケ部で有名でさ。な、テグァン。」
「あ、う、うん。」
初めて聞いたテグァンの声。
身長も高いしガタイもいいから、てっきり声も大きいのかと思っていたけど、低くて最後の方は消えそうな程に小さかった。
「やっぱりなるよね〜。だってモモ本当に可愛いもん。」
こういう話題、恥ずかしいし、とてもこそばゆい気持ちになるから正直得意じゃない。
「で、やっぱりイ•ハニと付き合ってるの?」
急にハニ先輩の名前が出てきて頭がハテナになる。
「なんでハニ先輩?」
「朝とか一緒にいるじゃん。」
「違う違う、あれはたまたま時間があっただけで…」
「じゃあ彼氏いない?」
「う、うん。」
そう言うと、またニヤニヤしながらテグァンの肩をつつくハジン。
それからみるみるテグァンの耳が赤くなっていく。
その後も何回か目が合って逸らされるを繰り返していたが、ご飯の最中に私たちが話すことは無く、ずっと気まずい雰囲気が流れているようだった。
ユナとハジンとは普通に話してるのに。
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