Column3 「スコーン」の名前の由来(前編)
今回は、「スコーン」の名前の由来について取り上げようと思います。
「スコーン」は、日本でもホテルのアフタヌーンティーで食べられるほか、コーヒーショップやカフェで買えたり、通販で購入することもできます。また、中にはご自分でお作りになっていたりする方もいらっしゃると思うので、身近なお菓子になりつつあるかもしれませんね。
さて。
「スコーン」の名前の由来は諸説あるのですが、そのうち有名なものが二つあるのです。
この二つの諸説は書籍にも載っているものなので、信頼がありそうなのですが、調べてみるといくつかの疑問が出てきました。今回はそれも含めてお話しようと思います。
また内容が長くなりましたので、「前編」「中編」「後編」の三回に分けて公開いたします。
☆
イギリスのお菓子に、「スコーン」という名のものがあります。
よくアフタヌーンティーをする際に、
大体、一番下にサンドイッチ、その上にスコーン、そして一番上にケーキが載っており、一応のマナーとしては一番下のサンドイッチから順番に、スコーン、ケーキと食べていくことになっています。
ただ、色々調べてみたのですが、そこまでカチコチにマナーに固執する必要もないという意見もありました。大事なのはマナーなのではなく、「楽しく食べること」とのこと。この辺りは人や場所、場面によって意見が分かれるところかなとは思いますが、マナーを知りつつ、楽しく食べることができるのが一番良いのかもしれませんね。
……と、アフタヌーンティーの話をついしてしまいましたが、「スコーン」に戻りまして(笑)
「スコーン」が誕生した場所、そして名前の由来について『増補改訂 イギリス菓子図鑑 お菓子の由来と作り方』には次のように書いてあります。
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スコーンが誕生したのはスコットランド。その由来には諸説あり、ひとつは“良質な白いパン”を意味するオランダ語の“schoonbroot”、ドイツ語の“sconbrot”を語源とし、スコットランドで“scone”になったとするもの。またスコットランドで王の戴冠式に使われていた椅子の土台“the Stone of Scone(またはthe Stone of Destiny)”に似せて作ったことに由来するという説もある。
(羽根則子『増補改訂 イギリス菓子図鑑 お菓子の由来と作り方』/誠文堂新光社/2019.5.17より引用)
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ここから二つのことが名前の由来の説としてあることが分かります。(以下、オランダ語、ドイツ語、英語の表記は全て『増補改訂 イギリス菓子図鑑 お菓子の由来と作り方』に
①「良質な白いパン」を意味するオランダ語の「schoonbroot」と、ドイツ語の「sconbrot」から、スコットランドで「scone」になった説。
②スコットランドで王の戴冠式に使われていた椅子の土台「the Stone of Scone(ザ・ストーン・オブ・スクーン)」(またの名を「the Stone of Destiny(ザ・ストーン・オブ・ディスティニー)」)に似せて作ったことに由来するという説。
これらのことは書籍に書いてあったことなので、「そうなのだろうな」とは思うのですが、調べてみると少々疑問が……。
その疑問について次の「中編」にて取り上げます。
(「中編」に続きます)
〈補足〉
*1「ケーキスタンド」とは……お皿が二段とか、三段になっているもの。「スリーティアーズ」などとも言われます。
*2「サンドイッチ」といわれる部分は、「セイボリー」と言われることもあります。
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