「黒天井」という暗闇の世界から始まる物語。この世界に光がないことがどれほどの影響力を与えるのかが、丁寧に綴られています。おそらくほとんどの人は光を失うことで不安になるでしょう。
しかし主人公は一羽の「何者でもない鳥」と出会うことである行動に出ます。その背景には、かつて思い描いていたことが叶わない、世の中うまくいかないといった苦しみがあり、彼女が一羽の鳥との出会いでどうなるのか、に注目です。
私たちの世界には光はありますが、心の中で闇を抱えている人もいるはず。それが文章となったような作品だと思います。