第41話

人だかりの中心には見た事のある顔。記憶を辿り寄せて、考えること数秒。



「あ!佐久間 臣!」



ふふん。思い出した私を誰か褒めてほしい。関わりたくないけど一度教えて貰った名前を忘れるわけが無い。



「うわぁ、大変そう」



彼は校門の前に停まっている黒のセダンに寄りかかるように立っていて、それだけで様になっているのはその容姿のせいなのか。


周りにいる女子からの視線と黄色い声が聞こえていないかのようにただ腕を組んで少し下を向いている。



……もしかして寝てる?まさかね?

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