第38話

「龍牙の皆様がこっちの校舎にきてるって!」


「えっ、早く行こう!」



あっという間にいなくなった方向からキャーだのかっこいい!と黄色い声がひっきりなしに耳に入ってくる。


一瞬で哀れみの表情をされた意味を理解したけど、念の為に先生に聞いてみる。



「彼等はもしかして、ここに?」


「だろうな、今ならまだ後ろの扉から逃げられるかもな」


「……そうします」


「早川、お前大変だな」



本日2度目の哀れみの表情に、ぺこりと頭を下げて足早に後ろの扉から教室を出た。

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