他人のフリして逃げるが勝ち

第31話

◇ ◇ ◇



危険人物に指定された4人との出会いから一週間。


――やってまいりました。転校初日です。


朝から清々しく起きる為に、前日は早く寝た私だったけど、



「……なんで」



ただいまの時刻、10時20分。完全に遅刻。


絶望に打ちひしがれてると、タイミング良く着信音が鳴って画面を見れば『怜央ちゃん』の表示。



「ぐっもーにん!怜央ちゃん」


「……初日から寝坊するとはどういう事だ」


「いま学校だよ?何言ってんの、怜央ちゃん」



惚けて言ってみれば、



「理事長が俺の知り合いって言ってただろ。心寧が来てねぇって電話きた」


「…………また目覚まし止めて寝てました」


「……はぁ、だろうと思った。1時間以内には行かせるって言っとくからちゃんと行けよ?」


「うん。ダッシュで準備するよ」


「あぁ。……心寧、楽しめよ」


「うん!ありがとう。じゃあね、怜央ちゃん」



何だかんだで優しい彼に頬を緩めた。


それから、先日届いた真新しい制服に着替えたり、準備して家を出た。

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