第14話
ぐっと唇を噛み締める。
八つ当たりなんかしてる私の方がよっぽど馬鹿だ。
龍牙の事知ってたら、行く先の高校に彼等がいるのを知ってたなら選ばなかったよ。
「心寧、噛むな。傷付けるんなら、俺を殴ればいい」
好きなだけ、と発せられる言葉に漸く息を吐いた。
怜央ちゃんに近付けば身体ごと正面を向いた胸元を困惑と怒りの感情のままポカポカと叩いた。
それに何も文句を言うことなくされるがままの怜央ちゃん。
私の力なんかちっぽけなんだろう。痛がる素振りすら見せない。
「……ごめん、」
頭が冷静になってきて、叩く両手を止めてボソリと謝ればポンと大きな手が乱雑に頭を撫でた。
「全然痛くねぇから気にすんな。……落ち着いたな?」
「……うん」
「言いてぇ事ならいくらでも聞いてやるから、その前に話だけでも聞け」
「……わかった」
正直、聞きたくなかったけど有無を言わせない怜央ちゃんの声色に渋々頷いた。
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