始まりはいつだって唐突にやってくる
第1話
暗闇の中を無数のヒカリがその場を照らす。キラキラ輝いていて、そこはわたしからすれば別世界の様だった。
夏と冬に行われる“それ”は、この街の者なら知らぬ人はいないだろう。
繁華街から大通りを抜けて川沿いを駆け抜ける彼等を見ようと大勢の人達が群がる。
現在、20時を回ったところ。
私、
繁華街を少し抜けた所に古びた神社がある。
長い階段を上って鳥居を潜ると、ぽつんとベンチが置いてある。そこへと座れば目の前は繁華街を一望出来るようになっている。
「ふぅ、ここがいちばん良く見える。誰も知らないのかなぁ」
シーンとした此処で、キラキラと輝く繁華街を眺めて携帯で時間を見る。
「20時28分。あと2分」
心地よい風を受けながらゆっくりと目を閉じた。
耳に全神経を集中してその時を待つ。
――そして、20時30分。
繁華街の方から聞こえるバイクの音に目を開いた。遠くではあるけど、見える。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます