第5話

第5章 最初の町作り


白猫と新たな仲間たちは、廃墟と化した町を再建するための活動を本格的に始めた。町はおよそ300匹の猫が住む規模で、かつては交易の拠点として栄えていたが、今では廃墟と化していた。


レオは戦闘の訓練をし、クロウは町の魔法や防御の力を強化する方法を学び始めた。そして、白猫は自分の力を駆使し、町の人々の心を一つにまとめ上げていった。


町は中世ヨーロッパのような雰囲気を持ち、石造りの建物や木造の家々が立ち並ぶ。まず必要だったのは、水回りの整備だった。白猫は村の水源を調べ、魔法で水を循環させる装置を作り上げた。井戸の水を引き、簡易的な水道を設置することで、住民たちは手洗いや調理がしやすくなった。


トイレも重要な課題だった。村人たちは最初は戸惑っていたが、白猫は清潔な環境が必要だと説得し、共同の排水施設を作った。また、魔法を利用し、風呂場を建設した。お湯を作る魔法と組み合わせることで、住民たちは久々に温かい風呂に入ることができた。


町の広場には、地元の商人が集まり、建物の修復作業が進んでいった。広場の中央には、大きな噴水が設置され、そこを中心に市場が開かれ始めた。白猫は商人たちと交渉し、物資の流通を活発にすることで、町の発展を促した。


クロウは防御魔法の研究に没頭し、町を守るための結界を張る試みを始めた。「この結界が完成すれば、町を外敵から守れるはずだ…。」彼の魔法にはまだ課題が多かったが、少しずつ成果が出てきた。


レオは訓練場を整備し、戦闘技術を磨く仲間を増やしていた。若い猫たちが集まり、町を守るための自衛隊のような組織ができ始めた。


町の人々が再び力を合わせ、少しずつでも前に進み始めたその時、遠くから不穏な気配が漂ってきた…。


白猫は仲間たちを見回し、決意を固めた。「この町を、みんなで守るんだ…!」

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